朝日新聞によると、
日本産婦人科医会は、無痛分娩(ぶんべん)を実施する医療機関に対し、出血や麻酔合併症などに適切に対応できる体制整備をするよう提言することを決めた。同医会が毎年まとめる、産婦人科医らに向けた妊産婦の安全なお産に関する提言に盛り込む。提言で無痛分娩に言及するのは初めて。8月末までに正式にまとめる予定。
大阪府吹田市で5日に開かれた、同医会に全国から報告される妊産婦の死亡事例について検討する委員会の会合で提言について話し合った。提言案では、無痛分娩は陣痛促進剤(子宮収縮薬)や器具を使って赤ちゃんを引き出す方法が必要となることが多く、通常の出産とは異なる管理が必要だと指摘。麻酔薬を使うことによる局所麻酔薬中毒など、まれではあるが起こりうる命に関わる合併症に適切に対応できる体制が必要だとした。
お産全体の中で無痛分娩の事故率が高いというデータはない。ただ、大阪、兵庫、京都などで妊産婦の事故が報告されたため、提言の中で安全策の重要性に言及することにした。同医会の石渡勇常務理事は、「異常が発生した時にすぐに蘇生できる体制を整えておくことや、助産師や看護師らも必要な留意点を普段から把握しておくことが必要だ」と話している。
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