12%の病院で検出 多剤耐性アシネトバクター

帝京大病院などでの院内感染が問題となっている多剤耐性アシネトバクター菌について、厚生労働省研究班が今春実施した全国主要病院へのアンケートで、回答した771施設の12%に当たる92施設で検出例があることが分かった。10日の厚労省意見交換会で、研究班の国立国際医療センター研究所の切替照雄・感染症制御研究部長らが報告した。

 多剤耐性ではないものも含むアシネトバクター全体の検出例のうち、耐性菌だった人の割合は微増傾向にあり、厚労省は「院内感染対策の重要性が増している」とみている。

 切替部長らは今年3?4月、全国の200床以上の病院に2007?09年度のアシネトバクター検出状況をアンケートし、28%に当たる771施設からの回答を分析した。

 3年間に多剤耐性アシネトバクターを検出したことがある病院は、12%に当たる92施設だった。07年度は39施設、08年度に37施設、09年度に49施設と増加傾向にあった。

 アシネトバクターが検出された患者のうち、多剤耐性だった人の割合は07年度は0・25%(51人)、08年度は0・40%(81人)、09年度には0・49%(97人)と微増していた。検出はたんなど呼吸器系からが67%と最も多く、次いで尿、血液だった。

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