産業技術総合研究所や東京歯科大学市川総合病院などの研究グループは8日、ヒトの正常な精子をつくるのに欠かせない遺伝子を発見したと発表した。
男性不妊症の原因の一つである精子無力症の患者で、この遺伝子に異常があることも突き止めた。男性不妊症の診断や不妊治療の向上に役立つと期待される。
米国科学アカデミー紀要(電子版)に論文が掲載された。
新たに見つけた遺伝子は「GALNTL5」。ヒトの精巣で働いていることは知られていたが、どういう機能があるかわからなかった。
この遺伝子をなくしたマウスを研究グループが作製したところ、精子無力症と似た症状で不妊になることがわかった。精子が運動するためのエネルギーを生み出すたんぱく質や、卵子との受精に関係するたんぱく質が正常な精子に比べて著しく減っていた。
精子無力症には今回見つけた遺伝子のほかにも、いくつかの遺伝子が関係しているという。
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