出産の危険が高まる双子や三つ子などの多胎児を妊娠した際、胎児の数を減らす減胎手術の実施を公表している諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町、根津八紘院長)で、異常が見つかった胎児を選んで手術を行ったケースが、これまでに36件あることがわかった。
8日から大分県別府市で開かれる日本受精着床学会で発表される。母体保護法は減胎手術について定めておらず、国も具体的な指針を作っていないが、こうしたケースが初めて明らかになったことで、今後、議論を呼びそうだ。
同クリニックによると、減胎手術の理由は、ダウン症などの染色体の病気が25件、胎児のおなかや胸に水がたまる胎児水腫などの病気が11件だった。31件が不妊治療による妊娠だった。
いずれも、夫婦が「減胎できなければ、すべての胎児を中絶する」との意向を示したという。今回の減胎手術について、根津院長は「一人でも命を助けるために、やむを得ず行った」としている。
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