岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授(予防歯科学)と竹内倫子助教(同)らのグループは、歯周病治療を施した妊婦のうち、治療効果が低かった女性が出産した新生児の体重が軽くなる傾向にあることを確認した。母体の歯周病が胎児に悪影響を与えるという海外研究を実証する成果。グループは妊婦の口腔ケアの重要性を訴えている。
竹内助教らは3年にわたり、県内の医療機関で出産した女性203人(平均年齢31・8歳)を調査。妊娠中に歯周病治療を行い、歯ぐきからの出血が少なく症状が改善したA群183人と、出血しやすく治療効果が低かったB群20人を比較した。
新生児の平均体重はA群が2997・3グラムだったのに対し、B群は2776・5グラムと200グラム以上軽かった。妊娠から38週目に行った超音波検査で測定した大腿(だいたい)骨の長さの平均はA群69・7ミリ、B群68・6ミリ。B群の子どもは成長が若干遅れていた。一方、妊娠から出産までの平均週はいずれも39・4週だった。
今後は、妊婦の歯周病が、胎児の発育に与える影響のメカニズム解明に取り組む。竹内助教は「不安がある人は、かかりつけの歯科医に相談してほしい」としている。
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