妊娠高血圧症候群を早期発見へ 岡山大病院が研究

 岡山大病院周産母子センター(岡山市北区鹿田町)の増山寿准教授(周産期医学)らのグループは、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の早期診断法の研究開発に着手する。早産や胎盤はく離、胎児の発育遅延などの重症化を防ぐことが狙い。12月からスタートし、5年後に200症例の数値データ化を目指す。

 増山准教授らは、妊娠初期(15週まで)に胎盤が形成される際、血管をつくる血管新生因子が関係していると想定。中でも血しょう、血清内の3種類のタンパク質が同症候群に関与している可能性が高いとみて、妊娠16〜29週の妊婦に計3回、血液検査を行い、タンパク質濃度の変化を分析する。

 東京大、日本大、自治医科大もほぼ同時期に研究を始める計画で、相互の連携も図る。

 高齢出産(35歳以上で初産)などハイリスク患者の増加や産科医不足など周産期医療を取り巻く環境は厳しい。増山准教授は「(同症候群の)適切な治療を早期に行うことで重篤な合併症を防ぐことが可能。産科医の少ない県北などのハイリスク患者を連携してケアする仕組みづくりにもつなげたい」としている。

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