COVID-19回復後の精液の質の低下および精液中へのSARS-CoV-2ウイルスの検出について

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染から回復した、性的に活動的な男性の精液の質はどのような状態にあるか?

要約
最近SARS-CoV-2に感染し、回復が確認された男性の25%において、精液中にウイルスRNAは検出されなかったものの、乏精子症、極度乏精子症、または無精子症が認められた。

既知の事実
ヒトの精液中におけるSARS-CoV-2の存在や、ウイルス感染伝播およびCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)回復後の精液の質に対する同ウイルスの影響については、依然として不明な点が多い。これまでに、感染者や回復が確認された男性を対象として精液の質や精液中のSARS-CoV-2の有無を評価した研究は少なく、対象者数も限られていた。

研究デザイン、規模、期間
SARS-CoV-2感染から回復したことが確認されている、性的に活動的な男性43名を対象に、前向き横断研究を実施した。唾液、射精前尿、精液、射精後尿の4種類の生体試料について、SARS-CoV-2ゲノムの検査を行った。いずれかの検体でSARS-CoV-2陽性が確認された場合、女性パートナーの再検査を実施した。また、通常の精液検査に加え、精液中の白血球数およびインターロイキン-8(IL-8)濃度の測定を行った。

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新型コロナウイルスで精子数が減少

要旨

我々は、回復期後期にある患者の精液から、定量逆転写PCR法を用いて重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)を検出したことを報告する。ウイルスは適切な体液性および細胞性免疫応答を伴って検出されており、これは「免疫特権」領域である精巣へのウイルスの播種(侵入・定着)の可能性を示唆している。また、乏精子症の3名を含む他の男性6名について、精液の質に関する経時的なデータも提示する。

2021年7月時点で、世界中で1億8,000万人以上が重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染し、回復期にある(1)。男性の生殖能への長期的な影響や、性行為を介した感染の可能性については、依然として不明な点が多い。しかし、エボラウイルスやジカウイルスなど、他の新興病原体については、性行為を介した感染が起こることが示されている(2,3)。

精巣に豊富に存在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体(4)はSARS-CoV-2の結合部位であり、剖検報告では精巣へのウイルス侵入が確認されている(5)。しかし、男性213名を対象とした6つのコホート研究では、精液中からSARS-CoV-2 RNAは検出されなかった(6)。一方で、急性期における検出が2つの研究で(7,8)、また回復期早期における検出が1つの研究で報告されている(9)。本稿では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する前向きコホート研究における精液分析の結果を報告する。

結論
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