着床前スクリーニング

ポストセブンの記事によれば、

神戸の「大谷レディスクリニック」が「着床前スクリーニング」の実施によって、高齢出産の流産率を引き下げることに成功した。
日本産科婦人科学会が着床前スクリーニングを原則として認めていない中で、559人におよぶ患者にスクリーニングを実施。
大谷レディスクリニックでは2011年2月から2014年7月にかけて559人にスクリーニングを実施した。平均年齢は40.4才で、その大半が流産や体外受精を何度も経験していた。スクリーニングで正常な受精卵とされ、子宮に戻されたのは327人で、うち220人ほどがすでに出産したという。
女性のスクリーニングを行わなかった体外受精における着床率は20.9%なのに対し、スクリーニングを行った女性の着床率は46.6%と約2.2倍に。流産率は、スクリーニングを行わない場合は40.8%だが、スクリーニングを行うと11.1%と約4分の1になる。
それならば、なぜ日産婦は着床前スクリーニングを認めてこなかったのか。その理由の1つは染色体をスクリーニング検査することで、ダウン症をはじめとする染色体に特徴のある障害を判別できたり、生まれてくる子が男か女かがわかったりすることだ。スクリーニングを行うことがすぐに「障害を有する命の選別」や「男女産み分け」に繋がるわけではないが、生命倫理上の観点から日本の医学界では導入が見送られてきた。

大谷レディスクリニックの大谷徹郎院長に話を聞いた。

 なぜ禁じられている着床前スクリーニングを実施しているのですか。

「私自身も子供ができたのが遅く、私と妻が37才のときでした。32才から不妊治療を始め、5年後にようやく子供を授かりました。長い不妊治療を経験した妻は深い悩みを抱え、私自身も“今までなんのために生きてきたのか”と人生を恨んだものです。だからこそ、不妊に苦しめられるかたがたの気持ちがよくわかります。その苦しみを少しでも減らし、妊娠率を上げたいという気持ちが原動力です」

 染色体を検査することは「命の選別」に繋がりかねないという批判もあります。

「着床前スクリーニングの最大の目的は母体の保護です。それを間違えないでほしい。流産は精神的だけでなく、母体に与える影響が少なくありません。2度繰り返すことを反復流産、それ以上繰り返すことを習慣流産といいますが、3度流産した場合の、4度目の妊娠の流産率をご存じですか? おおよそ4割です。年齢が上がれば、さらに流産率は上がります。それらの流産の多く(約71%)は、染色体に異常のある受精卵が原因です。
染色体異常のなかでも最も生まれる可能性が高い21番トリソミーの染色体異常(ダウン症のこと)を持つ受精卵でも、着床する確率は20%くらいで、さらにその内で20?30%だけが出産に至ります。つまり、その受精卵を子宮に戻しても94?96%は着床しないか、流産するのです。
産婦は『命の選別』といいますが、それなら、出生前診断の羊水検査は命の選別にならないのでしょうか。日産婦も認めている羊水検査で調べるのも染色体異常です。着床前スクリーニングの場合、検査の対象は『前胚』であり、法律で人間だと規定されている『胎児』以前の段階です。ところが、同じように染色体異常を調べる羊水検査は妊娠約15週前後で行われるので、これは胎児を検査しているわけです。
障害があるとわかっていても赤ちゃんを産み、育てる行為は尊いものです。しかし同時に、すでに日本では羊水検査によって“障害を認知した”あとの中絶が実質的に認められている現実を忘れてはなりません。
着床前スクリーニングは、子宮に戻す前の受精卵に異常を見つけることのできる世界で認められた検査方法です。」

 日本の医学界が遅れているということですか。

「明らかに遅れています。着床前スクリーニングはアメリカやイギリス、北欧諸国をはじめ、アジアでも中国、韓国で認められています。9割以上の国で認められていて、日本で行われていないのはおかしい」

 現在、日本でスクリーニングを実施しているのは大谷レディスクリニックほか数か所だけだが、不妊や流産に悩み、スクリーニングを希望する女性が後を絶たないという。

 そうした流れのなかで、原則として着床前スクリーニングを認めてこなかった日産婦は今年2月、3年間かけて大規模な臨床研究を行うことを決めた。

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着床前スクリーニング検査(PGS)と着床前診断(PGD)の違い。

PGSは胚(受精卵)の染色体に対するスクリーニング検査であり、PGDは胚(受精卵)における遺伝子疾患(ダウン症など)の要因となる単一遺伝子の発見を目的とした検査である。
PGSは男女の産み分けではなく、染色体異常の発見を目的として実施される。合わせて不妊理由を特定し、治療方針を決定付ける為に行う場合も少なくない。受精卵移植失敗の理由、初期流産の理由は、遺伝子検査により初めて明らかになるという。
PGDは、遺伝子スクリーニングを通して遺伝子疾患を引き起こす単一遺伝子を見つけ、疾患を回避する目的で行われる。染色体異常をもつ胚(受精卵)を排除し、健康な胚(受精卵)を選び、受精卵移植を行う。

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出産した220人のうち、一人がうちの患者さん。(笑)

日本産科婦人科学会2012年ART出生率

2012年の日本産婦人科学会のARTの資料によると、

30歳の出産率は、21.8%

35歳、17.3%

40歳、8.1%

42歳、3.6%

45歳、0.7%

全年齢で11.2%でしかない。

驚きなのが48歳で二人となっていますが、そのうちの一人がうちの患者さん。双子だったので(笑)二人とも体重差もなく健康に生まれました。

2012出生率

日本は着床前診断を認めていない。実施されるようになると妊娠率は60%になることはわかっている。流産率も低い。

上記の体外受精での出産率が意外と低いのは、男性側をあまり治療されてないためと思われます。治療室TAOでは男性に鍼灸をすることにより何倍もの実績を上げています。

肉の種類と体外受精成功率

女性側が不妊治療を受けている場合、体外受精成功率は、男性が摂取した肉の種類に影響を受けることが判明した。
因果関係は証明されていないものの、鶏肉など家禽類の肉を多く摂取する男性は、加工肉(ベーコン、ソーセージ、缶詰など)を多く摂取する男性と比べ、体外受精成功率は高くなったという。
ハーバード・メディカルスクールのウェイ・シア(Wei Xia)教授が率いる研究チームは、不妊治療を受けるカップルのうち男性141人を対象に、肉の種類や摂取量と体外受精成功率の因果関係に関する臨床試験を行った。
試験結果より、鶏肉を多く摂取した男性のほうが、体外受精成功率は13%高くなったという(鶏肉を多く摂取した男性の成功率78%、加工肉を多く摂取した男性の成功率65%)。
また、顕微受精を除く体外受精成功率は、鶏肉を多く摂取した男性のほうが28%高くなった(鶏肉を多く摂取した男性の成功率82%、加工肉を多く摂取した男性の成功率54%)。
しかしながら、研究チームは肉の総摂取量と体外受精の成功率に関連性は確認できないと報告している。
一方、他の専門家は、男性が摂取した肉の種類や摂取量と体外受精成功率に因果関係があると考えている。
鶏肉を多く摂取した男性は、加工肉を多く摂取する男性より食生活が健康的となり、体外受精の結果に繋がると理由付けている。

http://www.empr.com/medical-news/meat-intake-ivf/article/431500/

http://www.13wmaz.com/story/news/health/2015/08/06/processed-meats-may-affect-male-fertility-study-shows/31211931/

甲状腺ホルモン不足、ADHDと関連か?

妊娠初期の母親の甲状腺ホルモンの血液中の値が低いと、生まれてくる子どもの注意欠如・多動症(ADHD)の症状と関連していると分かった。
オランダ、エラスムス・メディカル・センターのT・モデスト氏らの研究グループが、小児科分野の国際誌ジャマ(JAMA)ペディアトリクス誌において2015年7月6日に報告している。
妊娠中の母親の甲状腺ホルモン不足は、子どもの認知発達に影響を及ぼす可能性がある。しかし、出生前の甲状腺ホルモン不足が子どもの行動に及ぼす影響については、あまり研究が行われていなかったと研究グループは説明している。
研究グループは、妊娠初期に母親が中度の甲状腺ホルモン不足だった場合、子どもの注意欠如・多動症と関連があるかについて検証した。
この研究は、オランダの出生コホート研究「ジェネレーションR」内で行われ、2002年4月1日から2006年1月31日に生まれた子どもを青年期まで追跡した。母親の甲状腺値に関するデータがある親子4997組のうち、77.5%にあたる3873組を対象として詳しく調べた。
母親の低甲状腺ホルモン値(甲状腺刺激ホルモン、遊離サイロキシン、甲状腺ベルオキシダーゼ抗体)を、平均妊娠13.6週で測った。子どもの注意欠如・多動症の症状は、「コナーズ評価尺度」と呼ばれる方法で8歳時点に評価した。
性別、民族、母体年齢、妊娠に関する教育レベル、収入といった子どもと母親の条件で調整した上で分析した結果、妊娠初期の母親の低甲状腺ホルモン血症は、子どもが8歳時点での注意欠如・多動症の高スコアと関連していた。
注意欠如・多動症の傾向を示すスコアが7%高まるという結果。
この結果は、甲状腺ペルオキシダーゼ抗体値が高い女性を除いてもほとんど変わらなかった。子どものIQと一緒に存在しているならば自閉症症状で調整すると、関連性は弱まった。
子宮内で受けた影響が神経の発達に関係する可能性はある。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26146876