男性用の生殖能力診断キットを開発

【9月18日 AFP】国立台湾大学(National Taiwan University)の研究チームは17日、精子の質をもとに男性の生殖能力を測定できる家庭用の診断キットを開発したと発表した。

 従来の家庭用診断キットが精子細胞の「量」で判断していたのに対し、今回開発されたものは、生殖能力の重要な指標である精子細胞の「質」で判断するという点で画期的だ。診断キットは、精子の運動性、つまり卵子に到達できる能力を、数値で表示する。

 チームを率いたAndrew Wo氏は、「男性の不妊は、主に、ストレスや喫煙といったライフスタイルに起因している。ライフスタイルを変えることによる精子の質の変化を、診断キットで確認することもできる」と話す。 

 Wo氏はまた、子どもができないのは自分のせいだと感じている女性たちにとっても、診断キットは魅力的に映るだろうと話した。

着床前診断を利用して出産に成功、体外受精13回失敗の母親

【9月3日 AFP】英国で、卵子の着床前診断スクリーニング(PGS)を使った世界で初めての赤ちゃんが誕生したと、関係者らが2日明らかにした。

 ミート・オリバー(Meet Oliver)ちゃんは、体外受精(IVF)に13回失敗した41歳の母親から、「アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(アレイCGH)」と呼ばれる新手法によって生まれた。

 この手法は、卵子の全染色体を分析し、染色体異常がない卵子のみを子宮に戻すというもの。今回の不妊治療を監督したCAREによると、妊娠成功率が2倍になり、流産やIVFによる多胎妊娠の確率も大幅に削減される。また、出生異常の有無も知ることができるという。染色体異常は体外受精失敗の主な原因とされるが、若い女性の2人に1人、39歳以上の女性の約75%で、卵子に染色体異常があるといわれる。

 従来の比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)が5-7日かかるのに比べ、アレイCGHは24-48時間で済むため、胚を冷凍する必要はない。オリバーちゃんの場合は、母親の卵子8個を分析し、染色体が正常なものは2個と判明。この2個を胎内に戻すとうち1個が胚を生成し、これがオリバーちゃんとなった。

 一方で、英不妊治療医協会(British Fertility Society)は最近、PGSが妊娠率を上げる、または流産率を下げることを示す強力な証拠はないとする論文を発表している。

太もものサイズが寿命に関係

[ワシントン 3日 ロイター] デンマークの研究者らが3日、太ももの細い人は、そうでない人と比べて短命になる傾向があるとの調査研究の結果を発表した。
 英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに掲載された同研究は、1987年と1988年に実施された大規模な医学的調査に参加した男性1436人と女性1380人を対象に、12年以上にわたって経過を追ったもの。
 太ももの外周が60センチ未満の人は男女とも12年以内に死亡した人が多く、46センチ未満のグループでは、亡くなる確率がさらに高かったという。
 これまでに発表された多くの研究では、体のどの部位に脂肪が付くかが健康に大きく影響するという結果が報告されており、ウエストの周囲と内臓脂肪の関係などが指摘されてきた。
 デンマークの研究者らは、太もものサイズも同様に健康のバロメーターになる可能性があると期待している。一方、オーストラリアのイアン・スコット医師は、今回の統計は対象が極めて限られていると指摘。太ももサイズを健康の指標と認めるためには、さらに大規模な調査が必要だとしている。

脂肪組織の老化で糖尿病に

 糖尿病の発病に脂肪組織の老化が関係していることを、千葉大などのグループがマウスの実験で確かめた。脂肪組織の老化を抑えることが糖尿病の新たな治療法開発につながることを示した成果で、米医学誌ネイチャーメディシン電子版に掲載された。

 千葉大医学部循環器内科(小室一成教授)の南野徹助教らは、遺伝子操作で老化しやすくしたマウスを研究している中で、このマウスに糖尿病が目立つことに気づいた。

 このマウスに高脂肪のエサを与えると、通常のマウスに比べ、インスリンが効きにくくなって血糖値が上昇することが判明。脂肪組織を調べると、細胞の老化を示す酵素が増え、脂肪組織の老化が進んでいた。

 さらに、老化した脂肪組織を摘出すると、このマウスはインスリンが効きやすくなった。一方、正常なマウスにこの脂肪組織を移植すると、インスリンが効きにくくなり、老化した脂肪組織が糖尿病の引き金になっていることがわかった。

 このマウスの老化した脂肪組織では、炎症を引き起こす分子の量が増え、p53という遺伝子の活性が高まっていた。活性化すると、細胞の老化につながることで知られている。糖尿病になりやすく改変されたマウスでも同様の変化が認められたため、遺伝子操作でこのマウスの脂肪組織のp53を働かなくさせて老化を阻害したところ、インスリンの効きが改善された。逆にp53を過剰に働かせるとインスリンの効きが悪くなった。

 このことから、p53の活性化による脂肪組織の老化が糖尿病を引き起こしていることが明らかになった。糖尿病の患者の内臓脂肪でも老化を示す酵素の増加など同様の現象が認められたことから、小室教授は「人の糖尿病でも脂肪組織の老化との関係が考えられる。糖尿病を脂肪組織の老化を抑えるという観点で研究を進めれば、新たな治療薬の開発につながるかもしれない」と話している。