卵子提供、26%が前向き

不妊に悩む夫婦が別の女性から卵子提供を受け、妊娠を目指す治療について、厚生労働省研究班(主任研究者・吉村泰典慶応大教授)が初のアンケートを実施し、回答した女性の26%が卵子提供に前向きな姿勢を示したことが21日分かった。

 卵子提供は日本産科婦人科学会が倫理規定で禁じているが、同省の厚生科学審議会生殖補助医療部会は2003年、報酬禁止などの条件付きで容認する見解を出した。

 調査した扇町レディースクリニック(大阪市)の朝倉寛之院長は「前向きな女性は意外に多い。提供システムは十分成り立つ可能性がある」と分析。一方で提供に報酬を求める声も目立ち、部会の見解と差があることも明らかになった。

 調査は昨年12月、35歳未満の全国の成人女性を対象にインターネットを使って実施、517人が回答した。

不妊治療支援を拡大 岡山県

 岡山県は今月から、妊娠しない不妊症や、流産・死産を繰り返す不育症などに悩む夫婦を支援する不妊治療対策事業を拡大した。体外受精や顕微授精などの不妊治療を受けた夫婦に対する助成金を増額するほか、岡山大病院に委託して行っている「県不妊専門相談センター」(岡山市鹿田町)の相談日を増やす。

 助成金は従来、一回の治療につき10万円まで、単年度当たり1回だったものを、2回を限度に拡大。対象となる夫婦の所得合計も650万円未満から730万円未満に緩和する。助成期間は通算5年間。

 また、毎週水、金曜日に限られていた県不妊専門相談センターの面接相談日に、毎月第1土、日曜日と第3木曜日を加えるほか、面接と同じ日しか受け付けていなかった電話相談(086―235―6542)に第1土曜日を加える。

 県では、県北部で相談会を開催するほか、7月には岡山市で講演会も計画。総事業費は4945万8000円。問い合わせは、県健康対策課母子・歯科保健班(086―224―2111、内線2715)。

体外受精、自然妊娠より高率の妊娠異常 聖路加病院調査

毎日新聞の記事によると

 体外受精を受けた妊婦に、自然妊娠と比べて妊娠の異常が高率で発生していることが、聖路加国際病院の研究チームの調査で明らかになった。京都市で開かれる日本産科婦人科学会で16日に発表する。妊娠の継続に重要な胎盤などの異常と体外受精の関係が明らかになるのは、おそらく国内で初めてという。妊娠異常は、大量出血など母体や胎児を危険な状態にさらす可能性があり、研究チームは「体外受精を受けようとするカップルに、異常を起こしやすいことを理解してもらうことが必要だ」と話している。
 同病院で03年8月?06年7月に出産した女性2844人について調べた。このうち自然に妊娠した人が2454人、過去に不妊外来へ行った経験がある人が195人、体外受精を受けた人が195人だった。
 年齢や妊娠経験の違いを考慮したうえで▽胎盤が子宮口を覆う「前置胎盤」▽胎盤が出産前に突然はがれる「常位胎盤早期はく離」▽さい帯(へその緒)の付着位置がずれる「卵膜付着」――になる可能性を比較。体外受精を受けた人は、さい帯の卵膜付着が起こる確率が自然妊娠の人の9倍、胎盤の早期はく離は5.5倍、前置胎盤は5.4倍だった。一方、不妊外来へ行った経験があるだけの人は自然妊娠と差がなかった。
 研究チームの酒見智子医師(女性総合診療部)は「受精卵を人工的に操作すること、子宮への着床時期が自然妊娠より早めになることなど、自然妊娠との違いが妊娠の異常につながっているようだ。体外受精は危険なお産になりやすいという認識を、妊婦も医師も持つ必要がある」と話している。

不妊治療で出産、双子8組の血中に男女の性染色体が混在

読売新聞によると

 不妊治療で生まれた二卵性の双子の中に、男女の性染色体の細胞が血液中で混在するケースが2003?06年の4年間に8組、同性で血液型が混在する双子も1組あったことが、国立成育医療センター(東京)の左合(さごう)治彦医師らの調査でわかった。

 胎盤の共有で血液が混じることで起きたと見られ、将来、不妊症になったり、輸血時の血液型判定で混乱する可能性があるという。不妊治療では多胎妊娠率が高く、こうしたリスクも上昇するという見方がある。左合医師は「治療前にリスクを説明し、子供の成長のフォロー、告知の問題も考えるべきだ」としている。

 性染色体が混在する双子は03年、米国で最初に報告された。以来、日本でも03年に3組、05年に2組、06年に1組が学会や専門誌に発表され、今月の学会でも1組(06年出生)の報告がある。血液型が混じった双子の男児も06年に報告された。

 左合医師らのグループは、大学病院など120余りの施設が扱った年間6万件前後の出産の状況を集計した日本産科婦人科学会の周産期登録データベース(01?03年版)を調べた。

 胎盤を共有していた双子は1789組あり、うち36組は体外受精で妊娠。その中の3組(8%)が別の性で、うち未公表1組(03年出生)を含む2組で性染色体の混在が確認されていた。同性の場合の血液型の違いなどは不明。

 胎盤の共有は、二つの受精卵の胎盤になる部位が偶然くっついて起きる。左合医師は「実際にはもっと多いだろう。ただ、子供への実際の影響は成長しないとわからない」と話している。