不妊治療で出産、双子8組の血中に男女の性染色体が混在

読売新聞によると

 不妊治療で生まれた二卵性の双子の中に、男女の性染色体の細胞が血液中で混在するケースが2003?06年の4年間に8組、同性で血液型が混在する双子も1組あったことが、国立成育医療センター(東京)の左合(さごう)治彦医師らの調査でわかった。

 胎盤の共有で血液が混じることで起きたと見られ、将来、不妊症になったり、輸血時の血液型判定で混乱する可能性があるという。不妊治療では多胎妊娠率が高く、こうしたリスクも上昇するという見方がある。左合医師は「治療前にリスクを説明し、子供の成長のフォロー、告知の問題も考えるべきだ」としている。

 性染色体が混在する双子は03年、米国で最初に報告された。以来、日本でも03年に3組、05年に2組、06年に1組が学会や専門誌に発表され、今月の学会でも1組(06年出生)の報告がある。血液型が混じった双子の男児も06年に報告された。

 左合医師らのグループは、大学病院など120余りの施設が扱った年間6万件前後の出産の状況を集計した日本産科婦人科学会の周産期登録データベース(01?03年版)を調べた。

 胎盤を共有していた双子は1789組あり、うち36組は体外受精で妊娠。その中の3組(8%)が別の性で、うち未公表1組(03年出生)を含む2組で性染色体の混在が確認されていた。同性の場合の血液型の違いなどは不明。

 胎盤の共有は、二つの受精卵の胎盤になる部位が偶然くっついて起きる。左合医師は「実際にはもっと多いだろう。ただ、子供への実際の影響は成長しないとわからない」と話している。

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