血液型について

ABO式血液型について

一般にヒトの赤血球がある特定の抗原性を示すかどうかを調べることによって,これをいくつかの型に分けることができる、このような型を血液型という。
Landsteiner(1901)によれば,すべてのヒトの血液型はA,B,O,ABの4型に分類できる。
ある人の血球と他の人の血清とをまぜ合わせると凝集の起こる場合と起こらない場合とある、凝集の起こる場合については抗原が入った結果免疫抗体が作られたとは考えられないから,あらかじめ先天的抗体が存在していたと考えなければならない、これを同種凝集素という。このような凝集試験を多数のヒトについて繰り返した結果,4型があることがわかったのである。すなわちA型のヒトの赤血球はA抗原を有しており、血清にはβ凝集素がある.またB型のヒトの赤血球はB抗原を有しており,血清にはα凝集素がある、AB型のヒトは赤血球にA,B両抗原があり,血清には凝集素がない、O型のヒトは赤血球にA,B抗原ともなく、血清にはα,β両凝集素がある。
O型赤血球にはαおよびβ凝集素と反応するような抗原はないが、完全に無抗原というわけではない。
すべての赤血球に共通な抗原であるH抗原をO抗原と呼ぶことがある、A型またはB型のヒトの何%かは抗O凝集素をもっているという。
A抗原の特異性を決定している最終決定群はN-アセチル-D-ガラクトサミンであるとされている。
同様にB特異性についてはα-D-ガラクトース,O特異性についてはα-L-フコースが最終決定群とされている。いずれも多糖類である。
ABO式血液型の遺伝様式については,A,B,Oという3個の遺伝因子がおのおの独立に振舞い、そのうち2個が対立因子をなし,Mendelの法則に従って遺伝することが明らかとなった(Bernstein,古畑)。
その結果,因子型としては6型が存在することになるが,AOおよびBOはそれぞれA型およびB型と判定されるから現象型としては4型になるのある、この法則には例外がないので親子鑑定に応用される、たとえば両親がA型とB型であった場合、もし因子型でそれぞれAOおよびBO型であったとすると
(A+O)×(B+O)=AB+AO+BO+OO
となり、すべての型の子供が生まれうる.これに対してO型とAB型の場合は
(A+B)×(O+O)=2AO+2BO
でA型またはB型の子供しか生まれえない。
ABO式血液型(+は凝集の起こる場合)

血液型の遺伝因子

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