女性メタボ基準は腹囲80センチ より厳しく、厚労省

 内臓脂肪の蓄積で生活習慣病の危険性が高まる「メタボリック症候群」の診断基準の妥当性について検討していた厚生労働省研究班は9日、現在は「90センチ以上」としている女性の腹囲を「80センチ以上」に厳しくすれば、より多くの脳卒中や心疾患を予防できるとする研究結果をまとめた。

 メタボリック症候群は、日本肥満学会などが2005年に「腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上」などの診断基準をまとめ、特定健診にも採用されたが、女性の腹囲が男性より緩い点などに異論も出ていた。

 基準が変更されれば、保健指導にも影響を与えることになるが、厚労省生活習慣病対策室は「今回は妥当性判断の一つの材料。必要があれば検討会を設置する可能性もある」としている。

 研究班は、全国の40?74歳の男女約3万6千人に、腹囲と、血圧や血糖値などの関係を調べた。メタボリック症候群は、内臓脂肪蓄積に加え脂質異常、高血圧、高血糖のうち2項目以上に該当する状態だが、男性で85センチ前後、女性で80センチ前後を上回ると、そうした状態になる可能性が3倍に高まり、心筋梗塞や脳卒中が起きるリスクが大幅に上昇することが分かった。

肝機能値「正常」で病気兆候も、個人差大きく

 理化学研究所と東京大の研究チームが約1万5000人分の遺伝子データをコンピューター解析したところ、血液検査の結果に影響を及ぼす遺伝子が46種類も見つかった。

 肝機能を示すγ(ガンマ)GTPやGOT、腎機能をみるBUNなど7項目は、遺伝子の型によって数値が高くても健康だったり、低くても病気の兆候があるなど、数値と健康状態の間に個人差が大きく「正常値」の基準を見直す必要があることも判明。8日付の科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に発表した。

 遺伝子の個人差と、血液検査20項目のデータ、実際の体の状態との関連性を計算した。心筋梗塞(こうそく)などの兆候を調べるCKという検査項目の場合、正常値の上限は195(女性)だが、無関係と考えられていた免疫系の遺伝子の型によって、191でも高すぎる人や、204でも正常といえる人がいることが判明。一人ひとりの遺伝子型に合った正常値の設定が必要なことがわかった。

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糖尿病根治療法に道,拒絶反応の仕組み解明

 福岡大と理化学研究所は、重症糖尿病の根本的治療法として期待される膵(すい)島細胞移植で、タンパク質の一種「HMGB1」が拒絶反応を促し移植効果を妨げることをマウス実験で突き止めた。HMGB1の抗体投与で、拒絶反応を抑え移植効果を格段に高めることも判明。米医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション電子版に2日掲載された。
 福岡大の安波洋一教授(再生・移植医学)によると、HMGB1の抗体を治療薬として投与し拒絶反応を抑える方法がヒトでも確立されれば、糖尿病1型の重症患者に対する根本治療として膵島細胞移植の普及が大幅に進む。早ければ4〜5年後には治療を開始できる見込み。

周産期母子医療センターが新指針

 厚生労働省は、出産前後のハイリスクな治療にあたる総合周産期母子医療センターが、母体の脳血管障害など産科以外の救急疾患にも対応することなどを盛り込んだ新たな整備指針を策定し、27日までに都道府県に通知した。

 東京都内で2008年に脳出血の妊婦が死亡した問題を受け、1996年に定めた指針を初めて全面改正。産科と他診療科の連携などを進め、母体救命を含む周産期医療全体の質向上を目指す。

 全国のセンター運営や態勢整備のため2010年度予算案に59億円を計上し、09年度の10億円に比べ約6倍に大幅増額した。

 新指針では、全国に77施設ある「総合センター」で、施設内外の関係診療科と協力して心疾患や敗血症などの合併症にも対応するよう明記。確保すべき職員として麻酔科医や臨床心理士、長期入院児を支援するコーディネーターを挙げた。

台湾、出生率が世界最低

 女性が生涯に生む子どもの数の推計値である合計特殊出生率は1と世界最低となったことが分かった。内政部の最新統計によると、昨年の出生者数は約19万人と過去最低。出生率が予測を上回る落ち込みで推移していることで、人口が早ければ2017年にも減り始める可能性も出てきた。産業空洞化に加えて、内需の縮小も経済の重荷となりそうだ。

 出生数は2008年に20万人台を割り込み、昨年は19万1,310人(前年比約7,000人減)まで減少した。内政部が統計を始めた1981年の半分まで落ち込んでいる。出生率(人口1,000人当たりの1年間の新生児数)は8.29で、合計特殊出生率は1と香港や日本を下回った。晩婚、晩産化が進んでいることに加え、景気低迷で出産控えが起きていることが背景にあるようだ。
 
 行政院経済建設委員会(経建会)は「出生率の低下が予想以上の早さで進んでいる」と分析。予測よりも約10年早い17年に人口がマイナス成長に転じるとの見方を示した。
 
 ■児童手当支給検討
 
 こうした状況を受けて内政部は「人口政策白書」を修正し、5年以内に合計特殊出生率を1.2に、10年以内にEUと同水準の1.6に引き上げる目標を掲げた。今月26日に各部門を集めて児童手当の支給や育児環境の改善などについて協議する。
 
 現段階では、各地方団体が支給している出産一時金と育児手当を撤廃し、児童手当に変更する方針。同部は昨年、18歳までを対象に毎月5,000台湾元を支給する方向で協議を進めていたが、確定はしていない。
 
 さらに年内には立法院で「児童教育・照顧法」草案を承認し、来年関連法案を協議する予定。同時に5歳以下の幼児の教育を推進する「扶持5歳幼児教育計画」を策定し、今年から2012年にかけて対象幼児数を年間3%増やすほか、住宅ローン優遇制度や住宅補助も検討している。
 
 ■新竹市の出生率、台湾最高
 
 台湾全土で少子化の風が吹くなか、新竹県市は高水準の出生率を維持している。
 
 新竹市は台湾全土で最も高い13.04。第1子に1万5,000元、第2子に2万元を支給する出産一時金が後押ししているようだ。同様の措置をとっている新竹県も11.9と高水準にある。
 
 ■高齢化措置も同時検討
 
 少子化と同時に高齢化も加速している。経建会は退職給付金の受給年齢を引き上げるなどの措置を検討している。
 
 ただ幹部は「欧州は年金の受給年齢を67歳に引き上げることを検討しているが、台湾では失業率が高止まりしているため、すぐには無理」との考えを示している。14日付経済日報、聯合報が伝えた。