精子形成に必要な栄養素群を解明

 横浜市立大学大学院生命医科学研究科 創薬再生科学 小川毅彦教授らの研究グループは、理化学研究所生命医科学研究センター 有田 誠チームリーダー(横浜市立大学大学院生命医科学研究科 客員教授、慶應義塾大学薬学部 教授)、東京大学薬学部 青木淳賢教授、扶桑薬品工業株式会社 八尾竜馬上席研究員の各研究グループとの共同研究により、精子形成に必要な栄養素・物質群を網羅的に解析し、その全容を解明しました。今回の発見は、男性不妊症の病態解明や治療法開発への展開が期待されます。
本研究は、『The FASEB Journal』に掲載されました。

研究成果のポイント
○ 精子形成の開始と維持には脂質、特にリゾリン脂質*1が重要
○ 脂質の酸化を抑える抗酸化物質としてビタミンE、ビタミンC、グルタチオンが有効

研究の背景
 子供を望む夫婦にとって、男性不妊症は重大な問題のひとつです。その主たる原因は、精子形成障害という精子が作られにくい精巣内の状態にありますが、治療法は限られ、その効果も不十分です。精子形成は、精子幹細胞が精子になるまでに、マウスでは35日間、ヒトでは74日間という長期間を要します。ホルモン濃度、温度(陰嚢内)、酸化ストレス等、精子形成は様々な体内環境要因に影響されます。また、膨大な数の精子を造るには十分な栄養が必要ですが、どの栄養素が必要で、それらがどう機能しているかの詳細は分かっていません。
 小川教授らは、マウス精巣を用いた組織培養法により、体外で精子形成を再現することに世界で初めて成功し、2011年に発表しています。
(Nature. 2011 Mar 24;471 (7339):504-7. doi: 10.1038/nature09850.)
 今回の研究では、この方法を用いてマウスの精巣組織片を培養し、培養液中に様々な栄養素、ビタミン、ホルモン等を加えて精子形成効率を検討しました。

研究の内容
 従来の組織培養液には市販の血清代替物を用いており、未知の物質も多く含まれていました。そこで研究チームは化学組成の明らかな培養液を独自に作製し、実験を繰り返しました。その過程で、従来の組織培養法で用いていた血清代替物に特異的に含まれる物質をメタボローム解析の手法を用いて探索したところ、ビタミンEが浮かび上がってきました。
 培養実験を実施すると、ビタミンEだけでは効果は乏しいものの、ビタミンCとグルタチオンを一緒に加えると精子形成が顕著に亢進することを見出しました。さらに、血清代替物には脂質が豊富に含まれていることから、それらの脂質を網羅的に解析するリピドミクス解析(理研・有田チームリーダー)を行い、さらにリゾリン脂質に特化したリピドミクス解析(東北大学・青木教授(現・東京大学))を行って重要な脂質種を絞り込みました。リゾフォスファチジルコリン(LPC)やリゾフォスファチジル酸(LPA)等のリゾリン脂質を培養液に添加すると精子形成効率の向上が確認できました。最終的には、(表1)の物質群を調合した培養液で精子形成を効率よく誘導できることが確認され、精子形成に必要な栄養素・物質群をすべて明らかにしました。

今後の展開
 精子形成に必要な栄養素の全容は分かりましたが、それらのバランスについては更なる研究が必要です。また、今回の実験はマウスを用いたものですが、他の動物、特にヒトにおいての研究に発展させることが期待されます。

*1 リゾリン脂質:
細胞膜を構成するリン脂質は2本のアシル基(脂肪酸)をもっているが、それが1本なのが、リゾリン脂質。血液中に存在するリン脂質からホスホリパーゼの作用によって産生される。

お灸で牛の受胎率アップ(笑)

私がここで開業した頃、お灸が牛の受胎率に効く所から、人間にも転用したら効くのではないかと、お灸を不妊に適応したのでした。
で、最新?の情報がありましたのでリンクを貼っときます。

ウシのお灸マニュアル

人工授精後のお灸がいいそうです。黄体ホルモンが増加するらしい。

ヒトの卵子は化学信号を用いて精子を引き寄せ選り好みする。

https://phys.org/news/2020-06-human-eggs-men-sperm.html

ヒトの卵子は化学信号を用いて精子を引き寄せますが、最新の研究により卵子は特定の男性の精子を特に強く引き寄せることが明らかになっています。

人間は生涯のパートナーを選別するために多くの時間とエネルギーを費やしますが、パートナーとなり、性行為を行ったあとにも「卵子によるパートナー選別作業」が続くことを、スウェーデンのストックホルム大学とイギリスのマンチェスター大学NHS財団トラストが共同で行った最新の研究が明らかにしました。

同研究に参加したストックホルム大学のジョン・フィッツパトリック准教授は、「人間の卵子は精子を受精していない状態で、精子を引きつける化学誘引物質を放出します。卵子がこの化学信号を用いる際、引きつける精子を選別しているかどうかを我々は知りたかったのです」と語っています。

研究者は卵子の化学誘引物質を含む卵胞液が精子にどのように反応するかを調べました。フィッツパトリック准教授によると、「ある女性の卵胞液はある男性の精子を引きつけ、別の女性の卵胞液はさらに別の男性の精子を引きつけることが確認できました」とのことで、ヒトの卵子は特定の男性の精子を引きつけることが明らかになっています。つまり、卵子は女性が選んだパートナーの精子を好むかどうかはわからないというわけです。

フィッツパトリック准教授は、精子は卵子を受精させるというたった1つの仕事をこなすため、精子が卵子側を選り好みするというのは「意味がないこと」と説明しています。一方で、卵子は質の高い、あるいは遺伝的に互換性のある精子を選ぶことで、大きな利益を得ることが可能です。

同研究論文の筆頭著者であり、マンチェスター大学NHS財団トラストの傘下にあるセントメアリーズ病院で生殖医学部の科学部長を務めるダニエル・ブリソン教授は、「卵子が精子を選り好みするという考えは、人間の生殖能力に関する非常に斬新な視点です」と述べました。

ブリソン教授は「今回のような卵子と精子が相互作用する方法に関する研究は、不妊治療を進歩させ、最終的に現時点ではカップルに『説明できない』不妊の原因のいくつかを理解することにつながるかもしれません」と述べ、将来的な不妊治療の改善につながる研究であるとしています。

2019年の合計特殊出生率は1・36

 厚生労働省が公表した2019年の合計特殊出生率は1・36と前年を0・06ポイント下回り、07年以来12年ぶりの低水準にとどまった。「25年度に希望出生率1・8を実現」の目標を掲げた政府の見通しを上回るスピードで少子化が進む現状が浮き彫りとなった。

 低下が著しくなった背景には、18年の婚姻件数が戦後最少だった点が指摘された。19年の婚姻件数は増加に転じたものの、それまでは低下傾向が続いていた。未婚や非婚は若者世代の経済環境とも密接に関わる。

 日本は先進国の中でも、若者や子育て支援への財政支出が少ない。17年度の家族関係社会支出は対GDP比で1・58%で、英国やスウェーデンの半分程度だ。政府は消費増税の財源を活用し、幼児教育無償化を実施。今年5月に見直された政府の少子化大綱では、若者世代の経済的基盤の安定や、仕事と家庭の両立支援を検討課題とした。

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男性が高血糖のうちは出生率は上がらないだろうと予測する。