代理出産、原則禁止に

 不妊の夫婦が妻以外の女性に子どもを出産してもらう代理出産の是非を検討していた日本学術会議「生殖補助医療の在り方検討委員会」(委員長・鴨下重彦東京大名誉教授)は30日の会合で、代理出産を法律で原則禁止し、営利目的での実施は依頼者を含めて処罰すべきだとする報告書案の内容に大筋で合意した。

 一方で、代理出産の是非を判断する科学的データは不十分だとして、国の厳重な監視の下で試行的に実施する臨床研究の道も「考慮されてよい」と道を残した。

 3月までに最終報告書を発表し、政府と与野党は法整備を求められることになるが、国会議員の間でも賛否をめぐり意見が分かれており、曲折が予想される。

 報告書案は、代理出産によって代理母となる女性が被る身体的・精神的負担や、生まれてくる子どもの心に与える影響などの問題点を重視。法律によって禁止すべきだと結論づけた。

体験者の視点で不妊治療を紹介

「病院での不妊治療」ではなく、「人生、生活の一部としての不妊治療」を伝えたい。そう願った看護の専門家やカウンセラーが本をまとめた。「あなたらしい不妊治療のために」。不妊治療を決めたときから始まる悩みや複雑な感情とどう向き合うのか。望んだ結果が得られなくても、納得できる治療の受け方のアドバイスが盛り込まれている。

 編者は、聖路加看護大教授の森明子さん、不妊カウンセラーの浜崎京子さん、ジャーナリストのまさのあつこさんの3人。

 医師ではない、看護と体験者の視点にこだわった。不妊カウンセリングについての対談では、医療機関の選び方、医師とのつきあい方に加えて、治療をやめる時期の考え方に触れ、「自分なりの治療の区切りの目安を持っておくことが大事」とした。

 10人の体験談は示唆に富む。保険のきかない連日の注射、全身麻酔による採卵、職場に隠しての通院に疲弊し、「不妊治療は負け続けるギャンブルだ」と思った女性の話。別の女性は、不妊治療を始めてうつ状態になったが、「妊娠できなくても自分の人生に悔いのないように」と思い始めたら、自然妊娠したという話。待合室の重苦しい雰囲気がつらかったという男性は、妻との治療に対する考え方の違いに戸惑い、悩んだ体験談を寄せた。

 森さんは「不妊治療は、始めるとのめりこんでしまいがち。これから受けようという人も、今受けている人も、ぜひ立ち止まって考えてみてほしい」と話す。

4つの習慣で14年長生き 英の2万人調査で判明

【ワシントン8日共同】たばこを吸わず、飲酒はほどほど、野菜と果物を十分に取り、適度な運動をする人は、そうした習慣のない人よりも14年長く生きられるとの調査結果を、英ケンブリッジ大の研究チームが米医学誌に8日発表した。

 どれも健康に良いとされる生活習慣だが、具体的な利益をはじき出した点で意義があるという。

 チームは、英南東部の45−79歳の健康な住民約2万人を対象に、1993年から97年にかけて健康調査を実施、2006年までの死亡率と生活習慣との関係を解析した。

 その結果(1)喫煙しない(2)飲酒はワインなら1週間にグラス14杯まで(3)1日に最低こぶし5つ分程度の野菜、果物を取る(4)1日30分ほどの軽い運動をする−の習慣がある人は、4つともない人より、同年齢で病気による死亡率が4分の1と低く、14年分の寿命に相当することが分かった。