体外受精 流産にストレスが関係

ホルモン量変化 調査で判明

 卵巣機能障害や体外受精後の流産には、ストレスが関与する可能性があると、ウィメンズクリニック神野(東京都調布市)の神野正雄院長が、日本産科婦人科学会で発表した。

 神野院長は、ストレスに関係するコルチゾールというホルモンに注目。卵巣機能障害の患者157人について、唾液(だえき)に含まれるコルチゾール量の1日を通しての変化(日内変動)を調べた。

 コルチゾールの濃度は通常、朝が最も高く、夜寝る前に低くなる。ところが、卵巣機能障害がある人の48%は、コルチゾール濃度の日内変動に乱れがあった。

 一方、体外受精の成功率をみると、妊娠率はコルチゾールの日内変動と関係なかったが、妊娠後の流産率は、日内変動の乱れが激しいほど高くなった。

 神野院長は「不妊患者さんのストレスを客観的に評価でき、予想以上に流産に影響することがわかった。ストレスへの配慮が、治療成績の向上につながる」と話している。

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