深酒をよくする人は、そうでない人に比べオメガ-3脂肪酸の値が低いことが示され、医学誌「Alcoholism: Clinical & Experimental Research」8月号に掲載された。
必須脂肪酸(EFA)は細胞の重要な構成材料となるもので、不足すると成長発達障害、不妊をはじめ、さまざまな異常の原因となるという。多価不飽和脂肪酸のオメガ-6リノール酸(n-6 脂肪酸)とオメガ-3リノレン酸(n-3 脂肪酸)は、EFAの中でも特に重要であるとされる。
今回の研究で、米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)のNorman Salem Jr.氏らは、全米保健栄養調査(NHANES)の一環として収集されたデータを利用し、成人約4,200人を対象にEFAとアルコール摂取量を詳細に比較検討した。その結果、特に男性では、飲酒量が多いほどEFA摂取量が少ないことが判明。酒を飲む男性は、主に魚から摂取される長鎖n-3脂肪酸が少ないことから、魚を食べる量が不足していることが示唆されるとSalem氏は指摘している。
アルコールは脳に持続的な悪影響を及ぼすが、脳にはオメガ-3脂肪酸の供給が不可欠であるとSalem氏はいう。大量飲酒をしがちな人や、1日に平均1杯以上飲酒する人は、魚をもっと多く食べ、n-3脂肪酸をしっかり摂取する必要がある。大量飲酒とは通常、1回に5杯以上の飲酒や、酩酊(めいてい)することを目的に酒を飲むことを指す。
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