亜鉛サプリメントには、卵母細胞および精細胞のミトコンドリア損傷を防ぐ作用がある

2月4日、ウェイン州立大学医学部(アメリカ)の研究チームは、同大学プレリリースを通じて、亜鉛サプリメントには、卵母細胞および精細胞のミトコンドリア損傷を防ぐ作用があると発表した。研究論文は「Reproductive Sciences」に掲載されている。

サイトカインストーム(血中サイトカインの異常上昇と急増によって身体に炎症、組織損傷、臓器不全を誘発する現象)に関連する亜鉛の欠乏は、未成熟な卵子および精子において、ミトコンドリア損傷、活性酸素種(ROS:細胞の運命を決定づける傷害因子・シグナル因子)の蓄積を引き起こす。ミトコンドリア損傷、活性酸素種は、妊娠成立を妨げる。

今回、亜鉛は抗酸化剤・抗炎症剤として作用し、新型コロナウイルス感染症に対する免疫反応の結果、卵母細胞および精細胞が受けるダメージを防ぎ、損傷程度を軽減できることが認められた。亜鉛サプリメントによって受精卵(胚)の質は改善し、妊娠合併症リスクは低下するという。

また、亜鉛は、酸化的細胞損傷を防ぎ、免疫力やウイルスへの攻撃を高める。したがって、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)のパンデミック・世界的な大流行が収束しない状況下において、自然妊娠あるいは不妊治療による妊娠を目指して妊活する男女に対して亜鉛サプリメント摂取を推奨する。

妊活中の男女が、1日の上限用量50mgとして、毎日、亜鉛サプリメントを摂取することにより、ウイルスに対する免疫力が高まるという。


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