日本産科婦人科学会(吉村泰典理事長)は15日、理事会を開き、体外受精で子宮に戻す受精卵の上限数を、従来の原則3個から2個とする会告(指針)の改正案を承認した。
母子への危険性が大きい多胎妊娠を防ぐのが狙い。
ただし2個戻した場合、依然として多胎妊娠の可能性が高いため、会告に「子宮に戻すのはできるだけ1個を目指す」と付け加える。今後、学会員の意見を聞いた上で、4月の学会総会で正式決定する。
同学会は、多胎妊娠を防ぐため、子宮に戻す受精卵の数を会告で原則3個以内としてきた。
しかし、最近の生殖医療技術の発展で、子宮に戻す数を1〜2個に減らしても妊娠率は変わらず、すでに国内の不妊治療施設では2個以内が主流になっていることから、会告を改正することにした。
また、多胎妊娠の増加に伴い、綿密な健康管理の必要な母親や未熟児が増え、産科医不足で余裕のない周産期医療の現場をさらにひっぱくさせていることも考慮したという。
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