「ジアセチル」で閉塞性細気管支炎

【ワシントン】米国で電子レンジ用ポップコーンを毎日食べ続けた男性が、重い肺の病気「閉塞(へいそく)性細気管支炎」(BO)にかかっていたことが専門医の調査で4日わかった。

 男性はバター風味の香料「ジアセチル」を吸い込んでいるとみられ、報告を受けた米食品医薬品局(FDA)が安全性について検討に入る一方、米香料抽出物製造者協会は同日、ポップコーンへのジアセチル含有量をできるだけ減らすよう、加盟企業に通知した。

 ジアセチルは日本でも広く使われている。欧米で食品や香料の工場からBOの患者が出たのを受け、厚生労働省が国内業界について情報収集を始めているが、消費者の発病が明らかになったのは初めて。

 今回の事例は、肺の病気の治療で全米一とされる国立ユダヤ医学研究センターの専門医がFDAに報告した。患者は男性で、バター風味の電子レンジ用ポップコーンを毎日数袋、数年間にわたって食べ続けていたが、せきや息切れなどの症状が次第に悪化。検査の結果、BOと分かった。

 食品や香料の工場ではかねて、BO患者の報告が相次いでおり、製品を加熱する過程で蒸発したジアセチルを吸い込んだことが原因とみられている。今回の男性患者の自宅で調理中の空気を調べた結果、ポップコーン工場と同水準のジアセチルが検出された。
(2007年9月5日14時50分 読売新聞)

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