精索静脈瘤

血液が精巣から心臓へ戻る静脈の逆流防止弁の具合が悪く、血液が逆流してしまうのです。精巣が精子を作る適温は34〜35度。おなかの中の温かい血液が精巣へ逆流すると、元気な精子を作る働きが障害されると考えられています。弁の具合が悪いのは体質で、逆流は中高生の年代から始まるという。
逆流を起こした静脈は太く蛇行して、睾丸の上の部分がコブ状に腫れてくる。大半は痛みなどの自覚症状がないので、触らないと気づかない。大人になって不妊治療の際に、はじめて発見されるケースが多い。
精索静脈瘤は大小含めると男性の15%にみられるという。あっても子供を授かる人もおり、必ず精子異常を起こすとは限らない。
治療は手術になる。
脚の付け根の鼠径部を局所麻酔で約2センチ切って、顕微鏡で逆流している静脈だけを糸でしばります。所要時間は2時間ぐらい。3カ月後に再検査して精子の改善率は約75%。
病院によっては入院で行われるが、専門施設では日帰り手術が行われている。

精索静脈瘤の特徴
○立った姿勢で腹に力を入れて陰嚢を触ると、睾丸の上にコブ状の腫れができる。
○コブは、体を横にすると潰れて分かりにくくなる。
○コブは陰嚢の左側にできやすい(両側の場合もある)。
○コブは痛みを伴わない(一部に鈍痛を感じる人がいる)。
○コブを触ると、グニュグニュとした触感がある。