血糖値上げるホルモン、肝臓が作っていた

 金沢大学医薬保健研究域の金子周一教授らのグループは5日、肝臓が血糖値を上げるホルモンを作っていることを発見したと発表した。

 ホルモンを抑制することで高血糖を改善できることから、新たな糖尿病の治療、診断法の開発につながると期待される。研究成果は米国科学雑誌「セル・メタボリズム」に掲載された。

 金子教授らは、糖尿病患者の肝臓でホルモン「セレノプロテインP」が増えていることを発見。マウスにセレノプロテインPを打ち込むと血糖値が上昇しやすく、インスリンも効きにくくなることがわかった。さらに、肝臓でのセレノプロテインPの発生を抑えると、血糖値が改善されることも確認した。

 従来、内臓にたまった脂肪細胞が糖尿病などの生活習慣病を引き起こすと考えられていたが、今回の発見で肝臓からのホルモンも病気に関与している可能性が高まった。金子教授らは、セレノプロテインPなど肝臓由来のホルモンの総称として「ヘパトカイン」と命名した。

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