小麦の成分が入ったせっけんを使い続けて食物アレルギーを起こした例があったとして、厚生労働省は小麦成分の入った医薬部外品や化粧品について成分表示をメーカーに義務づける通知を出した。かゆみや刺激を感じた場合は、使うのを控えるよう表記することも求めた。
厚労省によると、今年9月からの約1カ月間に全国の医療機関から21件のアレルギー報告があった。いずれも小麦を分解して作った成分の入ったせっけんを数年間使い続けた人たちだった。パンやケーキなどの小麦食品を食べた後に運動すると、手や足にかゆみが出たり全身が赤くなったりしていた。血圧低下などの強い反応が出る例もあった。せっけんの使用を中止すると症状は治まったという。
30代女性の例では、約2年前から小麦成分入りのせっけんを使い続けていた。パンを食べた後、自転車で5分ほど走ったら、手足のかゆみや全身が赤くなるなどのアレルギー症状が出たという。
小麦成分は、手触りをなめらかにしたり泡立ちをよくしたりする。以前から製品はあったが、最近、アレルギーを起こすことが分かってきたという。「加水分解コムギ」などと表示される。厚労省の通知(10月15日付)は都道府県あてで、メーカーに対し、小麦成分を含む商品には半年以内に容器や外箱に成分名などを記載させるよう求めた。
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