英国人科学者、人工精子を製造したと主張

 英国人科学者が8日、科学論文上で世界で初めて人工精子を肺幹細胞から製造したと発表した。今後人工精子によって不妊症男性の受精に寄与することが期待されると発表者らは主張している。

 英ニューキャッスル大学の研究主任Karim Nayernia氏は、不妊症男性が実際に人工精子によって受精するには今後10年の研究期間が必要であるという。なお、ネズミでは同様の方法で子ネズミを誕生させることができたという。研究内容は「ジャーナル・ステム・セルズ・アンド・デベロップメント」誌で発表された。肺幹細胞は体内のいかなる細胞にもなることができ、科学者らはこの性質を活かして肺幹細胞から脳細胞、膵臓、心臓、血管などの組織を製造している。

 現時点ではNayernie氏率いる研究者チームの論文が発表された段階であり、まだ論文で発表された人工精子が本当に精子の機能を果たすといえるのかどうかについては、一部科学者らから反論も出ている。一部では、発表された人工精子は明らかに異常であると反論している。

 英国法では人工精子から受精卵を製造することは禁止されているが、研究者らは不妊症の研究のために人工精子を製造していると主張している。一部英国立法者らの中では、不妊症治療の可能性のために、法改正をするべきだとの声も聞かれている。

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