世界初、娘の将来のために母親が自らの卵子を凍結保存

20070706.jpg【7月5日 AFP】染色体異常と診断された娘を持つカナダの女性が、世界で初めて、娘の将来のために自分の卵子を凍結保存していることが3日、担当医から明らかにされた。

 卵子を凍結保存したのはモントリオール(Montreal)出身の弁護士で3児の母であるメラニー・ボアバン(Melanie Boivin)さん(36)。

 メラニーさんの卵子を凍結保存したモントリオールのマクギル大学(McGill University)の教授で産婦人科医長のSeang Lin Tan氏によると、母親が娘に卵子を提供するのは「世界で初めて」だという。同大学ヘルスセンターの倫理委員会は、メラニーさんの卵子採取を許可したという。卵子はメラニーさんの娘であるフラビーちゃん(7)の将来のために凍結保存される。

 フラビーちゃん(7)は、生まれつき「ターナー症候群(Turner syndrome)」と呼ばれる染色体異常を患っており、成長した後、不妊になる可能性がある。しかし、排卵障害になったとしても子宮が健康であれば、提供された卵子で妊娠は可能だという。排卵障害が起こっても、メラニーさんの卵子を使用すればフラビーちゃんは、自分の子どもであると同時に半分は自分の兄弟となる子を、妊娠、出産することができる。

 Tan氏は「冷凍保存された卵子を使用するかどうかは、フラビーちゃんと将来のパートナーが決めることだ」として、必ずしも保存された卵子を使用しなければならない義務はないことを強調した。

 また、同氏によれば、卵子を凍結する手法は、科学治療などで閉経してしまう可能性のあるガン患者に用いられてきたという。「この技術が上手く機能することは分かっている。85%の卵子が凍結保存に耐え、出産に成功する可能性は40%あることが証明されている」と語った。

 メラニーさんは英BBCとのインタビューで、「娘のためにできることはすべてしたい」と話すが、一方で、フラビーちゃんが卵子を利用することを強要するつもりはないと述べている。「ただ、選択肢を残してあげたいんです」と語った。

 Tan氏によると、卵子凍結技術は「不妊症を抱える女性にも施術できる段階に達している」という。さらに、「卵子凍結により、まだ子どもの父親となる男性と出会っていない女性にもチャンスを提供することができる。例えば、30代前半の女性が卵子を凍結し、後年、出会った男性と子どもを持つといった具合だ」と付け加えた。(c)AFP

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世界初、娘の将来のために母親が自らの卵子を凍結保存” への1件のフィードバック

  1. あべ のコメント:

    はじめまして。自分の娘もターナーと診断され 子供を産むのが難しいと言われてしまいました。日本では卵子凍結保存は行われていないんでしょうか。違法なんですよね きっと…。娘にしてあげられる事はすべて行いたいと思ってます。

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