【AFP=時事】死亡したドナー(臓器提供者)から摘出された子宮の移植手術を世界で初めて受けた女性が、胚移植により妊娠したことが分かった。担当医らが12日、発表した。
担当医のムスタファ・ウナル(Mustafa Unal)医師によると、デルヤ・セルト(Derya Sert)さん(22)はトルコ南部アンタリヤ(Antalya)県のアクデニズ大学病院(Akdeniz University Hospital)で体外受精した胚の移植を受け、初期検査の結果、妊娠2週間を迎えつつあることが判明した。「今のところ経過は順調」という。
世界で5000人に1人いるとされる生まれつき子宮がない女性のセルトさんは、2011年8月に同病院で死亡したドナーから摘出された子宮の移植手術を受けた。子宮移植手術の成功は世界初で、セルトさんは当時「医療の奇跡」と呼ばれた。不妊に悩む世界中の女性たちにとって、セルトさん妊娠のニュースは新たな希望の光となる。
医師団は胚移植の前に、移植された子宮が正常に機能していることを確認するために、18か月間経過を観察した。月経が始まったことから、子宮がうまく機能していることが分かったという。
子宮移植を受けたのはセルトさんが世界で2例目。1例目は2000年、サウジアラビアで生きたドナーからの移植だったが、手術から99日後に重度の血液凝固が起き、子宮の摘出を余儀なくされた。セルトさんは、合併症や拒絶反応のリスクを避けるため、帝王切開により出産し、産後数か月で子宮は摘出されることになっている。
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