世界最大のマルチセンター不妊クリニックの一つであるEquipo IVIがEmbryoScope(登録商標)Time-lapse System(エンブリオスコー微速撮影システム)を使用した結果、相対的妊娠成功率が最大20%向上した。
Equipo IVIは過去2年間にわたって行われた10クリニックの7000人以上の患者の治療を調査した。EmbryoScope(登録商標)Time-lapse Systemを使って培養、選択する治療を受けた胎芽は、標準的なインキュベーション、伝統的選択処置の胎芽に比べ妊娠率が大きく向上した。この論文は微速撮影システムを使って実際の着床、妊娠の結果を観察した初めてで最大の臨床データセットを示すものである。論文の主任執筆者であるメセグエル博士は「このような改善を達成する可能性のある技術は15年以上見たことがない。われわれは引き続き胎芽発達についての情報をより多く得られるので、これらの結果はさらに多くなる可能性があると信じている」と語っている。
ソレン・アンケルスジェルン最高執行責任者(COO)は「ICSI(顕微授精)が広く導入されてからIVFの成功率を大きく改善できる技術の大きな前進はなかった。この技術はそのような飛躍的前進にあたる。IVIが報告した前向きの結果はすぐれた培養条件と胎芽選択の情報改善の組み合わせから生じたものだと信じている」と述べている。
EmbryoScope(登録商標)Time-lapse Systemはエンブリオロジストが最先端のインキュベーター内で最適のインキュベーション条件を維持しながら、インキュベーション期間を通じてエンブリオの発達のさまざまな特性をモニターできる動画をつくり出す。この技術はデンマークのUnisense FertiliTec A/Sが開発した。現在ではクラス?a医療機器としてFDA(米食品医薬品局)認可とCEマークを受けた唯一の微速撮影システムである。このシステムは29カ国以上のクリニックで採用されている。
この調査を行ったメセグエル博士は「子供のないカップルにとってそれは一生の夢であり、赤ん坊を持てるチャンスをわれわれが増やせるのは素晴らしいことだ。同時にわれわれはより多くのカップルが長い治療期間中の緊張を避けられるようにすることもできるだろう。EmbryoScope(登録商標)Time-lapse Systemは不妊治療の飛躍的前進であり、患者がこの最高の治療にアクセスできることをわれわれは望んでいるので、患者にこの治療を提供することを決めた。子供のないカップルが訪ねてくるときは、われわれに家族の将来を託しているのであり、この信頼をわれわれは裏切ってはならない」と語っている。
ソレン・アンケルスジェルンCOOは「われわれの使命は新たな技術の開発を通じて不妊のカップルが親になるという夢を実現するのを助けることであり、使命が現実になるのを見るのは大変幸せである」と述べている。