閉経前後女性に幹細胞注射 厚労省に研究申請

 不妊治療施設の加藤レディスクリニック(東京都新宿区)が、閉経前後の女性の卵巣に自身の皮下脂肪から取り出した幹細胞を注射し、卵巣機能の改善を目指す治療を計画していることが分かった。臨床研究として厚生労働省に申請、20日開かれた厚生科学審議会科学技術部会に報告された。加齢などで機能が低下した女性の卵巣を若返らせるもので、最終的には妊娠を目指すという。

 卵巣は加齢とともに機能が低下する。卵子のもとになる卵胞が育たなくなり、ホルモン分泌も減少。この結果更年期障害が起きる。
 研究計画書によると、同クリニックは卵巣機能が低下し更年期障害の症状が見られる女性の下腹部などから皮下脂肪を取り出して「間葉系幹細胞」と呼ばれる幹細胞を抽出。この幹細胞は、新たな血管を作る役割を持つとされており、卵巣に移植し血流を増やすことで、衰えた卵巣機能の改善が期待できるという。対象は60歳未満の5人を想定している。
 同省によると、早ければ9月にも同審議会の下部組織で検討する。同クリニックの竹原祐志副院長は「動物実験では卵巣機能の改善が報告されている。将来的には病気や加齢で排卵機能が低下した女性への不妊治療に応用できれば」と話している。

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