「砂糖は毒」として、米国の小児科医らがたばこや酒のように税を課すべきだとの意見を2日付の英科学誌ネイチャーに発表、砂糖や飲料の業界が一斉に反論する事態になっている。
世界中で増加する糖尿病や心臓病の原因について、カリフォルニア大学のラスティグ教授らは、肥満だけでなく「この50年間で砂糖の消費量が3倍増えた」として「砂糖の消費と関係している」と主張。過剰摂取による肝臓への毒性や依存性、その結果もたらされる社会への悪影響を挙げ「たばこや酒と共通している」と指摘した。安くて味がよくなるため、「製造業者に添加量を減らす動機付けがない」として、ジュースや菓子に添加される砂糖への課税や子どもへの販売制限などを提案した。実際、食品に含まれる飽和脂肪酸への課税を昨年導入したデンマークが、砂糖に対する課税を検討しているという。
これに対し、米砂糖協会は統計の取り方に問題があるとして「非科学的で無責任」と反論。「肥満は食べ過ぎと運動不足が原因で砂糖だけを問題視するのは間違い」と訴え、「健康になることは楽しみを奪うことではない」という子ども向けに食育活動を展開しているミシェル・オバマ大統領夫人の言葉を紹介した。
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