妊娠中の女性が自分の爪にマニキュアを塗った後、緊張や怒りの感情が低下することが、国際日本文化研究センター(京都市)研究員の平松隆円さんらの研究で判明した。化粧のリラックス効果を示すものと分析し、化粧品の開発に生かせるとしている。
調査したのは平松さんと、京都大大学院医学研究科の院生の米盛由以子さん。妊婦23人(平均年齢29.3歳)を対象に、両手の爪にマニキュアを塗る前と塗った後の感情を、それぞれ5段階で問う30項目の心理テストを実施した。
その結果、「緊張、不安」の感情は、マニキュアを塗る前後で平均4.74から3.04に低下。「抑うつ、落ち込み」「怒り、敵意」「混乱」を示す数値も下がった。
平松さんは「妊婦が化粧をすることに否定的な風潮があるが、調査結果は、化粧がもたらす肯定的な感情調整作用が健康状態を良好にすることを示唆している。メーカーと協力して妊婦向けの化粧品を開発したい」と話している。
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