聖林寺

 享保の頃、この寺の僧文春は女人泰産を願って願をかけ、小さな木造の地蔵菩薩を彫りこれを背にして諸国行脚の旅に出ました。実際当時は子供が出来ないという不幸は深刻であると共に、お産にまつわる悲劇も現代と比較にならない程多かったのです。
 托鉢の旅四年七ヶ月の後、帰った文春は浄財を基に石造りの地蔵菩薩を造像させました。これが現在の本尊子安地蔵大石仏です。造像にまつわる伝承に多くの霊験談や民話が重なり今に伝えられ信仰されています。聖林寺の祈祷の概要は真言密教の法則に拠っていますが、律僧達の研鑚から得られたこの寺独自のものが加えられています。

聖林寺
〒633-0042 奈良県桜井市下692
Tel :0744-43-0005