脳の血管が細くなり、高い確率で脳卒中を引き起こす難病「モヤモヤ病」の原因遺伝子の一つを東北大などの研究チームが発見、4日、日本の専門誌に発表した。この遺伝子に変異があると、発症の危険性が約190倍高まるという。
モヤモヤ病は、家族に患者がいると発症リスクの高いことが経験的に知られていた。この遺伝子を調べればリスクを予測でき、脳卒中を未然に予防する治療につながる可能性があるという。
研究チームは、日本人の患者約70人と正常な人約460人からDNAを採取し、塩基配列が人によって異なる「多型」を比較。その結果、患者の約7割は「RNF213」という遺伝子に変異があることを発見した。この遺伝子の役割は、これまで不明だった。
モヤモヤ病は「ウィリス動脈輪」と呼ばれる脳血管が、狭窄したり詰まったりして、周囲に細かい血管が新生される難病。細かな血管の広がりがたばこの煙のように見えるため、1969年に東北大で命名された。患者は日本や韓国などアジアに多く、半数は幼児期に発症する。