ストレスが妊娠を妨げる

 女性はストレスを感じていると妊娠しにくいことが、新しい研究で明らかにされた。この研究では、α(アルファ)-アミラーゼと呼ばれるストレス関連物質の値が高いと、女性が妊娠する確率が低下することが示された。

 α-アミラーゼはでんぷん(スターチ)を消化するため唾液中に分泌されるものだが、神経系がカテコラミン(ある種のストレス反応を引き起こす物質)を産生するときにも分泌されるため、身体的または心理的なストレスに対する身体反応の指標として利用されるようになってきている。

 今回の研究では、米国立衛生研究所(NIH)および英オックスフォード大学の研究グループが、妊娠を試みている18〜40歳の英国女性274人の排卵周期をグラフ化。その結果、α-アミラーゼ値の高い女性は、低い女性に比べて妊娠する確率が低いことが判明した。「全体では、α-アミラーゼ値が(四分位において)最も高い25%に属した女性は、最も低かった女性に比べて各周期に妊娠する確率が推定約12%低かった」と、研究著者である米国立小児保健発育研究所(NICHD)のGermaine Buck Louis氏は述べている。

 医学誌「Fertility and Sterility(妊孕性と不妊)」オンライン版に8月5日掲載の今回の研究は、ストレスのバイオマーカーと妊娠率低下との関連を初めて示したものである。妊娠がうまくいかないストレスによって、ますます妊娠しにくくなってしまう可能性がこれまでにも指摘されており、今回の知見からも、医師が女性のストレスを軽減させる適切な方法を考える必要があることが示唆される。ストレスを緩和するためにアルコールやたばこを用いる人も多いが、これらの物質も妊娠率を低下させてしまう。Louis氏は研究する価値のあるものとして、瞑想、バイオフィードバック法、ヨガ、社会的支援の向上などを挙げている。

抗生剤きかぬ「スーパー細菌」

【ロンドン=大内佐紀】インドとパキスタンが発生源とみられ、抗生物質がほとんど効かない新たな腸内細菌に感染した患者が、両国のほか、欧米諸国でも急増し、17日までに、ベルギーで1人の死亡が確認された。

 英医学誌ランセットは世界的な感染拡大につながる恐れがあるとして、対策を呼びかけている。

 AFP通信によると、死亡したベルギー人はパキスタンを旅行中、自動車事故に遭い、同国の病院からブリュッセルの病院に移送されたが、すでに新型耐性菌に感染していたという。

 新型耐性菌は「NDM1」という新しく確認された遺伝子を持ち、抗生物質への耐性が著しく高く、「スーパー細菌」の俗称がついている。感染すると、菌や菌の毒素が全身に広がって臓器に重い炎症を起こし、致死率の高い敗血症などになる恐れもある。ランセット誌は、英国で37人の感染者が確認されたとし、AP通信によれば、オランダ、スウェーデン、米国、オーストラリアなどでも感染が確認されている。

 同誌は、感染経路について特に、「インドには、欧州や米国から美容整形を受けに行く人が多い」と言及している。