07年、10〜20代に麻疹が流行した。将来、母親になる世代だけに感染者本人だけでなく、胎児や乳幼児の健康を考える上で軽視できない数字だった。
予防接種には、(1)予防接種法に基づき市区町村が費用を負担する「定期接種」(2)希望者が自己負担で受ける「任意接種」の2種類ある。麻疹は風疹との混合ワクチン(MR)として定期接種の対象になっている。
国立感染症研究所の多屋馨子室長(小児感染症学)は「妊娠前の女性が特に獲得しておきたいのが麻疹や風疹、水ぼうそう、おたふくかぜの4種類の感染症に対する免疫だ」と言う。発症すれば妊婦の重症化に加え、流産や赤ちゃんの奇形などの危険性がある。いずれも感染力が強い。しかし、8〜18歳を対象に昨年実施した検査で、陰性または陽性でも抗体の量が少ない人の割合は麻疹で10〜20%、風疹で20〜40%だった。任意接種の水ぼうそうとおたふくかぜの予防接種率は約30%と低迷している。
現在、MRワクチンは1歳時のほか小学入学前1年間、中学1年、高校3年のそれぞれに相当する年齢時に無料接種が受けられる。今月末までの対象は、小学入学前(02年4月2日〜03年4月1日生まれ)▽中学1年生(95年4月2日?96年4月1日生まれ)▽卒業生を含む高校3年生(90年4月2日?91年4月1日生まれ)だ。多屋室長は「こうした感染症はワクチンという方法で予防できる。母子ともに健康であるよう、ぜひ接種してほしい」と呼びかける。
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風疹は特に有名で妊娠中に罹るとお子様が難聴などになることがあります。
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