妊娠と寝室の明るさの関係性

最新の研究によると、一晩中照明を付け、明るい部屋での睡眠はメラトニンの生産に影響を及ぼし、女性の生殖能力や胎児の成長に影響が出ると判明した。

テキサス大学ヘルスサイエンスセンター細胞生物学のラッセル・J・ライター教授(Russel J Reiter)は、妊娠を希望する女性、または妊娠中の女性は毎晩少なくとも8時間は照明を消し、部屋を暗くして睡眠をとる必要があると述べている。

ライター教授率いる研究チームは、研究を通してメラトニンの役割や妊娠に至る概日リズム(サーガディアン・リズム)について分析した。

毎晩、寝室を明るくして睡眠をとった場合、メラトニンの分泌量が減少したという。メラトニンは脳の松果体(脳にある小さな内分泌器)にて分泌されるホルモンであり、周辺環境の明暗に応じて分泌量が変化する。

また、メラトニンは卵子を酸化ストレスより守り、女性の生殖機能を最適に保つ働きがある。そのため、妊娠を望む女性にとって規則的な明暗周期が重要となってくる。明暗周期が不規則になると体内時計が乱れ、排卵・生理周期に影響が生じる。

ライター教授は、脳が適量のメラトニンを分泌できるように、窓から差し込む外部光を遮り、テレビや照明を消し、寝室を暗くして睡眠をとることを推奨している。

ナイトライト(終夜灯)が必要な際は、白・青発光の照明は概日リズム、明暗周期、体内時計の乱れさせるという理由より、赤・黄色発光の照明を選ぶべきだという。

また、教授は暗い部屋での睡眠が最良ではあるが、睡眠に限らず、暗い周辺環境に身を置くこともメラトニン分泌に効果があると述べている。

http://articles.economictimes.indiatimes.com/2014-07-16/news/51600500_1_melatonin-biological-clock-darkness

男性生殖力アップのために必要な6項目

サン・モーリス(仏)の健康監視研究所(Institut de Veille Sanitaire)が数年前に発表した研究報告書によると、1989年から2005年の間で平均的な精子数が3分の1減少したという。
研究は男性2万6千人を対象に実施された。研究開始時、35歳男性の平均的な精子数は1ミリリッター当たり7360万個であったが、2005年には4940万個に減少していた。

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アスピリンとヘパリン

セント・メアリー(英ロンドン)のインペリアル・カレッジの研究によると、「アスピリン」や「ヘパリン」には抗リン脂質抗体症候群など自己免疫疾患による流産を防ぎ、出生率を高める効果があるという。

繰り返し流産を経験している女性90人(23歳から43歳まで、平均年齢33歳)を2グループに分け、日々、12時間ごとに低量のアスピリン服用、あるいは低量のアスピリン服用とヘパリンを皮下注射にて投与した。

出生率は、アスピリン服用では42%(45人中19人妊娠)、一方、アスピリン服用・ヘパリン投与では71%(45人中32人妊娠)であった。なお、流産の90%が妊娠初期にて起こった。

繰り返し起こる流産の要因として、抗リン脂質抗体症候群など自己免疫疾患のほかに血栓症や栓友病なども挙げられる。

血栓症や栓友病では胎盤を含め体内の血管が細くなり、血餅(血液の凝固)を生じさせるため、母体から胎児へ栄養供給が妨げられ、胎児の成長に影響が出る。

研究によりアスピリンには流産を防ぐ効果があると判明した反面、血管を細くし、血餅を引き起こす作用があるため、服用量には注意が必要である。

多量のアスピリン(頭痛時などの通常服用量)は妊娠合併症を引き起こす可能性があるが、研究者らは低量のアスピリンやベビーアスピリンには流産を防ぐ効果があると述べている。

最新の報告では、妊娠初期のアスピリン服用は初期流産を引き起こす可能性が高いと警告している。

グンナー・ニールセン(Gunnar Nielsen)医師が率いる研究チームによると、妊娠判明前まで1か月間、アスピリンを服用する実験を行ったところ、妊娠12週までの流産のリスクが高まった。また、流産に至った時期より7〜9週間前の服用が影響を与えたと推測されている。