脂肪分の多い食事は短期間でも運動能力や認識能力の低下を引き起こす

通常の健康的な食事から、数日間脂肪分の多い食事に切り替えただけですぐに短期記憶能力や運動能力が低下するそうだ、NYタイムズの記事

英ケンブリッジ大学の Andrew Murray 博士率いる研究チームは、32 匹のラットに健康的な低脂肪の餌 (脂肪分 7.5 %) を与え 2 カ月に渡り迷路を解く訓練を行ったとのこと。迷路は正しく進めば合計 8 個の褒美を食べることができるというものであった。全てのラットが迷路を修得したところで半数のラットを脂肪分 55 % の高脂肪の餌に切り替えたところ、一度も間違えずにありつけた褒美の数は 4 ? 5 個と正解率が下がったという。通常の餌を食べ続けたラットが一度も間違えずに獲得できた餌の数は平均で 6 個以上だった。また、回し車の訓練を受けていたラットの餌を数日間高脂肪のものに変えるとパフォーマンスが 3 割も下がったとのこと。さらに実験期間の 5 日間の終わりにはパフォーマンスは半分にまで下がったという。
血液が脂肪過多になると余分な脂肪を排除するために代謝を悪くするタンパク質が放出され、筋肉の酸素消費効率が下がり運動能力の低下に繋ると考えられると研究チームは指摘している。脂肪分の多い食事は長期的にみると肥満や心臓疾患に繋がる恐れがあるということはこれまでも研究されてきたが、今回の研究では短期間に脂肪分を多く摂取することでも身体能力の低下が引き起こされることが明らかになったとのこと。なお、研究チームは人間でも同様の研究を行っており、実験データはまだ公表されていないが、ラットでみられた結果と同様の結果が人間でもみられるとのこと。

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