長野県下諏訪町の「諏訪マタニティークリニック」は23日、不妊治療で体外受精した受精卵を子宮に戻す前に染色体異常がないか調べる「着床前診断」を20組に行い、7人が出産したことをクリニックのホームページで公表した。
着床前診断は、流産率を下げるとされる一方で、命の選別につながる恐れがあるとして、日本産科婦人科学会は指針で、重い遺伝病の患者などを除き認めていない。
同クリニックによると、流産の経験がある長野県内などの夫婦20組に対し、2006年から12年5月にかけて着床前診断を実施。このうちの8人が妊娠した。7人が出産し、1人は妊娠中という。診断を受けた妊婦の年齢は32〜45歳で、流産を繰り返すなどした人という。
染色体に特殊な色素をつけて染色し、顕微鏡で観察する「FISH法」と呼ばれる手法で診断した。
クリニックの根津八紘(やひろ)院長は、着床前診断に関して「学会が一方的に会告で規制するのではなく、当事者が必要性に応じて受けられるべき医療技術と考える」とコメントを発表した。
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