夜のコーヒーに体内時計乱す作用

寝る前にコーヒーを飲むと、予定の就寝時間に眠りにつくのが難しくなり、朝起きるのがさらに辛くなるのは、カフェインによって体内時計が乱されるからだとする研究結果が16日、発表された。
米研究チームが米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(Science Translational Medicine)」に発表した研究については、カフェインを含む飲料を夜に飲むことで就寝と起床が遅くなる理由を説明するだけでなく、将来的には、時差ぼけの影響を抑える目的でカフェインを使用するのに適したタイミングについてのヒントをたらす可能性もある。
 研究は、被験者5人を対象に行われ、それぞれに、就寝3時間前にダブル・エスプレッソの含有量に相当するカフェインを摂取させる、明るい光にさらす、プラセボ(偽薬)を与えるといったタスクを無作為で与えた。
 被験者をさまざまな条件下に置いて調査するこの実験は49日間にわたり実施された。その間、被験者の唾液を定期的に検査し、睡眠と覚醒の周期を自然に調節するホルモン「メラトニン」の濃度を調べた。
 論文によると、低光量の条件下でカフェインを摂取させた被験者は、約「40分間のメラトニン概日(24時間周期)のリズムの位相後退(遅い時間へのずれ)」を経験したことが、今回の実験で分かったという。
 他方、就寝3時間前に明るい天井照明にさらされた被験者では、体内時計に85分間の遅れ、またカフェイン摂取と明るい光の両方の条件下に置かれた被験者は、体内時計に105分間の乱れが生じた。
 米コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)のケネス・ライト(Kenneth Wright)教授は「世界で最も広く使われている向精神薬のカフェインが、人間の体内時計に影響を与えることを示したのは、今回の研究が初めてだ」と語り、また「この研究は、カフェインが人間の生理機能に及ぼす影響に関する最新の興味深い知見をもたらすものだ」と続けた。
 今回の研究結果は、寝る前のカフェイン摂取は避けるようにとの一般的なアドバイスの説得力を高める一方で、カフェイン適切な使用が時差ぼけを回避するために体内時計をリセットする一助となり得る「興味深い」可能性を秘めたものと論文は述べている。
 だが、日付変更線を横断する旅行者が眠らずに活動を続けるための、カフェインの最も効果的な利用方法を決定するには、さらなる研究を重ねる必要がある。「このような条件下でカフェインが誘発する睡眠の乱れについては、時差ぼけを悪化させる恐れがあり、経過の観察が重要になる」と論文は指摘している。

日光浴により体外受精の成功率が高まる

ベルギーの研究によると、日光浴により体外受精の成功率が高まると判明した。体外受精を行う1ヶ月前より日差しを浴びる時間を増やすと、体外受精による妊娠率が1.3倍以上になったという。
ヘント大学病院の不妊治療専門医であるフランク・ヴァンデキャルクホーヴ(Frank Vandekerckhove)医師は、体外受精を行う1ヶ月前より、雨が少なく日照時間が長い、気温が高い気候下で過ごすことで、体外受精による妊娠の可能性が高まると発見した。
医師は、妊娠が確認できた時期ではなく、妊娠に至るまで過ごしていた気候が体外受精の成功率に影響を与えると述べている。研究を通して、妊娠1ヶ月前に過ごした気候が卵子の質、成熟度合いに影響を与えると分かった。
研究において、ヴァンデキャルクホーヴ医師は日差しを浴びることによりメラトニンやビタミンDが増え、妊娠しやすい体になるという結論に至った。
日差しを浴びるとメラトニンが精製され、メラトニンによりビタミンDが作られる。メラトニンは睡眠を促すホルモンであり、女性の生殖サイクルを整える。ビタミンDは、早産、先天性異常や感染症を予防する働きがある。
ヴァンデキャルクホーヴ医師は不妊治療中の女性6000人を対象に調査を実施したところ、晴天が多い気候下では体外受精の成功率が35%増加したという結果が出た。
医師は、日差しの量と卵子の質は関連性があり、自然妊娠から体外受精による妊娠まで日差しが妊娠成立に影響を与えると考えている。
ただし、気候と体外受精の成功率に関する関連性は証明されていない。そのため、現在も引き続き、日光浴と妊娠の因果関係に関して研究は継続されている。

http://atlanta.cbslocal.com/2015/06/21/study-sunbathing-may-increase-chances-of-getting-pregnant/

妊娠と寝室の明るさの関係性

最新の研究によると、一晩中照明を付け、明るい部屋での睡眠はメラトニンの生産に影響を及ぼし、女性の生殖能力や胎児の成長に影響が出ると判明した。

テキサス大学ヘルスサイエンスセンター細胞生物学のラッセル・J・ライター教授(Russel J Reiter)は、妊娠を希望する女性、または妊娠中の女性は毎晩少なくとも8時間は照明を消し、部屋を暗くして睡眠をとる必要があると述べている。

ライター教授率いる研究チームは、研究を通してメラトニンの役割や妊娠に至る概日リズム(サーガディアン・リズム)について分析した。

毎晩、寝室を明るくして睡眠をとった場合、メラトニンの分泌量が減少したという。メラトニンは脳の松果体(脳にある小さな内分泌器)にて分泌されるホルモンであり、周辺環境の明暗に応じて分泌量が変化する。

また、メラトニンは卵子を酸化ストレスより守り、女性の生殖機能を最適に保つ働きがある。そのため、妊娠を望む女性にとって規則的な明暗周期が重要となってくる。明暗周期が不規則になると体内時計が乱れ、排卵・生理周期に影響が生じる。

ライター教授は、脳が適量のメラトニンを分泌できるように、窓から差し込む外部光を遮り、テレビや照明を消し、寝室を暗くして睡眠をとることを推奨している。

ナイトライト(終夜灯)が必要な際は、白・青発光の照明は概日リズム、明暗周期、体内時計の乱れさせるという理由より、赤・黄色発光の照明を選ぶべきだという。

また、教授は暗い部屋での睡眠が最良ではあるが、睡眠に限らず、暗い周辺環境に身を置くこともメラトニン分泌に効果があると述べている。

http://articles.economictimes.indiatimes.com/2014-07-16/news/51600500_1_melatonin-biological-clock-darkness