多量の放射線を浴びてしまったら

 放射線影響研究所によると、人体は多量の放射線にさらされると、細胞や遺伝子が傷つき、組織や臓器の働きが悪くなるなどさまざまな病気の原因になる。特に新しい細胞をつくるために分裂を繰り返す、皮膚、消化粘膜、骨髄の細胞への影響が大きいとされる。

 同研究所の中村典主席研究員によると、人間の生殖機能に与える影響は、男性の場合、150ミリシーベルトで一時的に精子の数が減少し、3500ミリシーベルトで精子がつくられなくなる。女性の場合は3千ミリシーベルトで不妊になる可能性がある。

 被曝した場合、外部被曝(ひばく)なら放射性物質を洗い流す。内部被曝だと、医療機関で放射性物質を体外に出す薬(キレート剤)が処方される。

 症状としては、数週間後にやけどのような状態になることや、めまいなど車酔いのようになる場合がある。いずれもやけどや車酔いと同様の治療を行う。胃腸がただれる症状には、感染症を防ぐための抗生物質を投与することもある。

 被曝が骨髄まで達した場合は、血液が作れなくなり、死亡の恐れがある。骨髄移植や臍帯血(さいたいけつ)移植などが必要になる。

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