日本人の卵巣がんの4分の1を占める「卵巣明細胞腺がん」の発生を抑える遺伝子を、島根大と米ジョンズホプキンス大の研究チームが発見し、25日発表した。
卵巣明細胞腺がんは、悪性度が高いうえ、抗がん剤が効かないため致死率も高く、治療薬開発への応用が期待される。
研究チームは、患者約50人から採取したがん細胞の遺伝子を解析した。その結果、「ARID1A」と呼ばれる遺伝子が約6割で変異しており、この遺伝子の機能が失われると、がんが発生することを突き止めた。
卵巣明細胞腺がんの原因は未解明で、進行性の患者の多くが発見から1、2年で死亡する。国内では卵巣がん患者の25%を占め、欧米(8%)と比べ発生率が高く、過去30年間で5倍に増えているという。
研究チームの中山健太郎・島根大講師は「この遺伝子の機能を回復する抗がん剤を開発できれば有効な治療法となる」と話している。
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