妊婦さんが新型コロナウイルス感染症に罹ってしまった場合も、特に妊娠していない同年齢の人と比べて重症度は変わらず、特に妊娠の経過にも悪影響は及ぼさないだろうと考えられています。
ただし、妊婦から生まれた新生児は新型コロナに感染していなかったようですが、稀に母子感染が起こる事例もあるようです。
これまでの報告からは「胎児は母親から子宮内感染するかもしれない」くらいのことしか分かっていませんが、新型コロナウイルス感染症にかかった新生児が重症化しやすいということはなさそうです。
妊娠中の新型コロナウイルス感染症に関する注意点
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は新型コロナウイルス感染症に関して、妊婦さんに以下のことを推奨しています。
新型コロナウイルスからしっかりと予防しましょう
・病気の人や濃厚接触者との接触は避けましょう
・石鹸と水またはアルコールで手を消毒しましょう
・頻繁に触れる表面を毎日清掃して消毒しましょう
母子感染
・妊娠中の母から子へのコロナウイルスの感染の頻度は高くありませんが、出産後の新生児は人から人への感染の影響を受けやすくなっています
・出生直後に新型コロナウイルスが検出された新生児が少数報告されています。ただし、これらの赤ちゃんが出生前に感染したのか出産後に感染したのかは不明です。
・新型コロナウイルスは、羊水、母乳、またはその他の母親の検体からは検出されていません。
新型コロナウイルス感染症と診断された場合の母乳育児
・母乳は多くの病気に対する抵抗力を生み、ほとんどの乳児にとって最良の栄養源です。
・家族や医療従事者と、母乳育児を行うのか、どのように続けるかを決めましょう。
・これまでの数少ない研究では、新型コロナウイルスは母乳からは検出されていません。ただし、新型コロナウイルスが母乳を介して感染するかははっきりとは分かっていません。
また日本産婦人科学会は4月7日に「妊婦の皆様へ」として以下の声明を発表しています。
日本産婦人科学会 「妊娠中の皆さまへ」
・妊娠中に新型コロナウイルス感染症にかかる率は一般の方と同じです。
手洗いや人との距離をとる(3 密を防ぐ)などの注意も同じです。日本より多数の感染者を出している国々で、妊婦が特別にこのウイルスにかかりやすい、という報告はありません。
・幸い、妊娠中の重症化率も一般の方と同じかむしろ低い値が報告されています。
集中治療室入室率なども、人口当たりになおすとむしろ低めの報告がなされています。
・急な帰省分娩の検討はぜひ避けてください。
分娩は予約された数によってその体制が決まっています。特に地方の小規模施設は急に受け入れる余裕がないところがほとんどなので、移動するほうがリスクになりかねません。
・感染予防のために付加的な医療サービス(立会分娩、面会など)が制限されます。
その施設の方針に従ってください。
・妊婦健診は重要であなたとあなたの赤ちゃんのいのちと健康を守ることが証明されています。しかし、妊婦健診の間隔を延ばしたり、超音波検査の回数を減らす、パートナーの立会いをお断りすることがあります。不安な症状がその間にあれば、どうぞ電話などでご相談ください。
施設全体の感染防御策や担当医の指示に従ってください。
・感染予防のために現在新型コロナウイルスに感染中の方や強く疑われる方の分娩方法や授乳方法を変えざるを得ないことがあります。
施設ごとに医療資源や、感染防護に使うことができる機材が異なっています。帝王切開を積極的に行うこともやむを得ない施設が多くなっています。施設の方針をご確認ください。
今妊娠している方、出産を控えている方は新型コロナウイルス感染症の流行に不安になっている方が多いと思います。
妊娠中に気をつけるべきことをしっかりと把握し、主治医とよく相談しながら出産に向けた準備をするようにしましょう。
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ということですが、妊娠初期、12週までの方は特に気をつけたほうが良さそうです。