体外受精卵が発育する様子を画像で観察し、流産しにくい受精卵を選び出す検査法を、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦チームリーダー、山縣一夫研究員らが開発し、マウスの出産率を通常の2倍近くに上げることに成功した。
流産は受精卵の核の中にある染色体に異常があると起こりやすいとされるが、受精卵を傷つけずに異常の有無を正確に調べるのは難しかった。
チームは、一時的に染色体にくっついて蛍光を発するタンパク質のもとになる物質をマウスの体外受精卵に注入し、特殊な顕微鏡で受精卵が細胞分裂する様子を撮影。
すると、染色体の一部が核の外側に取り残されるなどの異常を、よく見分けることができた。蛍光タンパク質は数日で消失するため、生まれる子への影響はないという。
検査後の受精卵をマウスの子宮に移植し出産率を調べると、異常があった受精卵はほぼすべて流産したが、正常な受精卵は65%が出産に至った。一方、検査せずに子宮に移植した受精卵の出産率は36%にとどまった。
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