舛添厚生労働相は22日の閣議後会見で、少子化対策として、出産関連費用への公費負担を大幅に拡充する考えを明らかにした。出産前の健診費用を全額公費で負担するほか、平均40万円程度とされる出産費用を全額給付する仕組みを検討する。財務、総務両省と協議し、09年度予算に盛り込みたい考えだ。
妊婦は出産までに14回程度の健診を受けることが望ましいとされ、現在、国は5回相当分を地方交付税で措置している。自治体独自で上乗せしているところもあり、全国の自治体では平均5.5回が無料で実施されている。
ただ、1回あたり5千〜1万円程度かかるため、経済的負担を理由に受診しないケースもあり、リスクの高い出産につながっていた。「必要な回数を受診できるようにしたい」(舛添氏)とし、交付税措置を14回分に拡大する。年間110万件の出産があり、新たに約840億円が必要になる。
出産費用は医療保険が適用されず、全額自己負担。出産後、健康保険の加入者は35万円の「出産育児一時金」を受け取れる仕組みだ。一部の健保組合や自治体は上乗せ支給している。ただ、本人が立て替え払いしており、経済的な負担を軽減するため、厚労省は地域ごとの出産費用を調べ、出産費用の全額給付を検討する。「将来的には保険適用も検討したい」(舛添氏)とした。
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