ミトコンドリア移植

asahi.comによると

実施した「HORACグランフロント大阪クリニック」(大阪市)によると、27〜46歳の女性53人から卵巣の組織を採取し、含まれる細胞からミトコンドリアを抽出。本人の卵子に精子とともに注入し、子宮に戻した。血液検査で妊娠と判定したのが19人、うち8人が出産し、双子2組を含む10人が生まれた。
2回以上体外受精を行っても受精卵の発育が悪く、妊娠しなかった女性を対象にした。森本義晴院長はエネルギーのもとを作るミトコンドリアを増やし、卵子の質を改善するのが狙いと説明、「妊娠したのはミトコンドリア移植の効果だ」と主張する。現時点で生まれた子の発育状況などに問題はなく、5歳ごろまで調べる予定という。治療費は体外受精も含め1人約150万円で患者が負担した。

この手法は数年前に海外で報告された。ただ、欧州のチームが2015年10月に始めた研究では、この手法を使っても使わなくても子どもを産んだ確率は変わらず、チームは効果はないとして研究を中止。論文で「受精卵の発育が悪い人たちにとっての新たな治療法と考えるべきではない」と指摘した。森本院長は欧州チームの研究について「対象とする患者の絞り方が甘い」と話す。
北海道大の石井哲也教授(生命倫理)は「安全性、有効性ともに十分な科学的データがない技術を高額な費用で提供することは問題だ」と指摘する。そのうえで、米国では若い女性の卵子から取ったミトコンドリアなどを不妊女性の卵子に入れる不妊治療の後、染色体異常や発達障害のある子を妊娠、出産した例があり、「今回の方法はさらにステップが多い。親が同意すれば、子に悪影響を及ぼしかねない実験的な技術を実施してよいのか」と語る。

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実施年齢が27歳からで、出産率15%。流産率58%。

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