不妊治療支援を拡大 岡山県

 岡山県は今月から、妊娠しない不妊症や、流産・死産を繰り返す不育症などに悩む夫婦を支援する不妊治療対策事業を拡大した。体外受精や顕微授精などの不妊治療を受けた夫婦に対する助成金を増額するほか、岡山大病院に委託して行っている「県不妊専門相談センター」(岡山市鹿田町)の相談日を増やす。

 助成金は従来、一回の治療につき10万円まで、単年度当たり1回だったものを、2回を限度に拡大。対象となる夫婦の所得合計も650万円未満から730万円未満に緩和する。助成期間は通算5年間。

 また、毎週水、金曜日に限られていた県不妊専門相談センターの面接相談日に、毎月第1土、日曜日と第3木曜日を加えるほか、面接と同じ日しか受け付けていなかった電話相談(086―235―6542)に第1土曜日を加える。

 県では、県北部で相談会を開催するほか、7月には岡山市で講演会も計画。総事業費は4945万8000円。問い合わせは、県健康対策課母子・歯科保健班(086―224―2111、内線2715)。

体外受精、自然妊娠より高率の妊娠異常 聖路加病院調査

毎日新聞の記事によると

 体外受精を受けた妊婦に、自然妊娠と比べて妊娠の異常が高率で発生していることが、聖路加国際病院の研究チームの調査で明らかになった。京都市で開かれる日本産科婦人科学会で16日に発表する。妊娠の継続に重要な胎盤などの異常と体外受精の関係が明らかになるのは、おそらく国内で初めてという。妊娠異常は、大量出血など母体や胎児を危険な状態にさらす可能性があり、研究チームは「体外受精を受けようとするカップルに、異常を起こしやすいことを理解してもらうことが必要だ」と話している。
 同病院で03年8月?06年7月に出産した女性2844人について調べた。このうち自然に妊娠した人が2454人、過去に不妊外来へ行った経験がある人が195人、体外受精を受けた人が195人だった。
 年齢や妊娠経験の違いを考慮したうえで▽胎盤が子宮口を覆う「前置胎盤」▽胎盤が出産前に突然はがれる「常位胎盤早期はく離」▽さい帯(へその緒)の付着位置がずれる「卵膜付着」――になる可能性を比較。体外受精を受けた人は、さい帯の卵膜付着が起こる確率が自然妊娠の人の9倍、胎盤の早期はく離は5.5倍、前置胎盤は5.4倍だった。一方、不妊外来へ行った経験があるだけの人は自然妊娠と差がなかった。
 研究チームの酒見智子医師(女性総合診療部)は「受精卵を人工的に操作すること、子宮への着床時期が自然妊娠より早めになることなど、自然妊娠との違いが妊娠の異常につながっているようだ。体外受精は危険なお産になりやすいという認識を、妊婦も医師も持つ必要がある」と話している。