毎日の射精は精子の質を向上させ、妊娠の確率を高める

毎日射精している男性のほうが、そうでない男性よりも DNA損傷が少ない「質の良い」精子になることが分かったそうだ
オーストラリアの体外受精研究機関、シドニー IVFの David Greening博士は毎日の射精が精子の質に及ぼす影響を実験したとのこと。実験では精子の質があまり良くないとされる、118名の被験者を対象に実験前の精子の DNAダメージ指数(DFI:DNA Fragmentation Index)を検査し、その後1週間毎日射精してもらった。その結果、81%の男性では DFIが12%減少したが、残りの19%では10%増加するという入り混じった結果となったそうだ。しかし全体の DFI平均値は26%となり、多くの被験者の精子の質が「良い」と分類できるレベルに向上したとのこと。

この精子の質の向上が理論上は妊娠の確率を高めるとのことで、博士曰く、排卵日の1週間前から毎日性交渉を行うのが良いと考えられるとのことだ。

男性の長距離サイクリングに不妊リスク

オランダ・アムステルダム(Amsterdam)で開催中の欧州ヒト生殖学会議(European Society of Human Reproduction and Embryology、ESHRE)で29日、長距離サイクリングなどの自転車の集中訓練が男性から「父親」になるチャンスを奪う可能性があるとした研究結果が発表された。

 スペインのコルドバ大学医学部(University of Cordoba Medical School)の研究チームは、以前から指摘されていた男性の不妊症と長距離サイクリングとの関係性を詳しく探ろうと、水泳、自転車、マラソンの3競技を組み合わせたトライアスロンに着目。健康なスペイン人選手15人から提供を受けた詳細な練習メニューと精液を分析した。

 その結果、自転車に乗っている時間が長い選手ほど、精液の形態や外見の劣化が進んでいることがわかった。具体的には、15人中、正常な精子の割合は 10%以下。週に300キロ以上のサイクリング訓練を行う選手では4%以下だった。一般的に、4%以下という数字は、深刻な不妊とみなされる数値だ。

 なお、マラソンや水泳については、不妊との相関性は見いだされなかった。

 考えられる理由としては、長時間、サドルに圧迫された睾丸が炎症を起こしたり、密着したタイツにより局部に摩擦熱が発生する可能性が挙げられる。高温環境では精子が生産されにくいからだ。

 一方、研究を率いたディアナ・ファーモンデ(Diana Vaamonde)氏は、局部への圧迫により有害な活性酸素が増殖し、細胞構造を破壊することも考えられると話す。 
 
 不妊への予防措置として、同氏は、抗酸化物質の摂取や訓練内容の改善に加え、高度な集中訓練を行う場合には、前もって精子を冷凍保存しておく方法を提唱している。

 長距離サイクリングと男性の不妊症との関連は、6年前のマウンテンバイカーの研究で初めて指摘された。

不育症の女性、病院に4割不満

岡山大教授ら調査

 流産、死産を繰り返す「不育症」の女性の約4割が、病院の対応に不満を持っているという調査結果を、岡山大大学院の中塚幹也教授(看護学分野)らが28日までにまとめた。医療スタッフの配慮に欠けた言動が、流産、死産で傷ついた女性の精神状態をさらに悪化させている実態が浮かび上がったといえ、中塚教授は「次の妊娠に向けた意欲をそぐ一因」と指摘している。

 不育症は、血液が固まりやすくなる凝固異常のため胎盤の血管が詰まることで起きたり、子宮の形態異常、染色体異常が原因。患者数など詳しい実態は分かっていない。