朝日新聞によると
NEC労使は14日、社員とその配偶者が不妊治療を受ける際、年間20万円を上限に治療費を補助する新制度を10月にも導入することで合意した。少子化対策として、治療費への一部融資制度や治療のための休暇制度を設けた企業はあるが、治療費の補助まで踏み込むのは極めて異例だ。
NECの新制度は、社員とその配偶者が保険の適用対象外の体外受精や顕微授精を受ける場合に利用できる。昨年4月に社員本人が最大20日間の不妊治療休暇をとれる制度を設けていたが、この対象を配偶者にも広げ、資金面でも治療を支える。資金の管理母体などは労使で協議する。先進的な取り組みで、有能な社員を囲い込む狙いもあるとみられる。
NECは、国の助成制度の仕組みに準じての導入を検討。利用者は年20件程度を見込む。当初は全社員約2万2000人と配偶者が補助の対象だが、将来的にはグループ会社にも制度の範囲を広げる見通しだ。
不妊治療にかかる医療費は一般的に年間200万円前後と高額。このため、厚生労働省は04年度から夫婦合算で年収650万円未満の世帯に対し、年10万円を上限に助成を始めた。07年度には所得制限を夫婦合算で730万円未満に緩和し、年20万円まで上限は引き上げられるが、経済的負担はなお重い。