車の排ガスで小学生のぜんそく増加

 自動車の排ガスが小学生のぜんそくの発症率を高めていることが24日、環境省の健康影響調査でわかった。これまでぜんそく患者らが起こした大気汚染公害訴訟などで国は、排ガスとぜんそくの因果関係について「科学的知見が少ない」としてきたが、調査を受け環境省は初めて「関連性がある」と認めた。

 東京都の国道246号や川崎市の東名高速道路、名古屋市の国道23号、大阪市の国道43号など全国11市区で、幹線道路の近くに住む小学生計約1万2千人を2005年度から5年間、追跡調査した。アンケートから屋外で過ごす時間や場所を割り出し、排ガスを吸い込む量を推計。吸い込んだ量が多い児童の方が、ぜんそくの発症率が高かった。

 さらに3歳以下の幼児と40歳以上の成人も調べたが、排ガスとぜんそくの関係ははっきりしなかった。

小児の心筋再生に成功

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は24日、生まれつき心室に異常がある1歳女児=中国地方在住=の心臓組織から採取した幹細胞を培養し、心筋に戻して心機能強化を図る再生医療の臨床研究治療を行い、成功したと発表した。心臓ポンプ機能が約10%向上するなど経過は良好という。同病院によると、心臓幹細胞を使った小児への治療は世界初という。

 同病院は安全性や効果を確認し、「早く臨床現場で治療ができるよう、治療費の一部が保険適用となる先進医療に年内にも申請したい」としている。

 病院によると、女児は単心室症の一種で左心室が非常に小さい左室低形成症候群。肺への血流を増やす外科手術を3月30日に行った際、心臓組織約100ミリグラムを採取した。自己複製能力を持つ幹細胞を取り出して10日間培養。4月26日の心臓カテーテル検査時に、冠動脈中へ培養した幹細胞180万個(2cc)を注入する「自家移植」を行った。

 女児は1週間後に退院。24日の検査で、移植前に比べ心筋重量は約22グラムから18%増え、ポンプ機能は約10%アップしていた。7月下旬の再検査で、治療効果などを再確認する。

はしかの患者報告数が倍増

 はしかの患者報告数が、大型連休明けの5月9-15日の週は28人で、前週の14人から大きく増加したことが24日、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめ(速報値)で分かった。

 都道府県別に見ると、東京が12人で最も多く、次いで埼玉、千葉、神奈川が各3人と、関東地方が4分の3を占めた。このほか、宮城、石川、愛知、兵庫、広島、愛媛、福岡が各1人だった。

 この週までの累積の報告数は230人。都道府県別では、最多の東京が103人で4割以上を占め、以下は神奈川(24人)、広島(20人)、埼玉と千葉(各12人)などと続いている。
 年齢別では、1-4歳が52人で最も多く、以下は20歳代が47人、30歳代が34人、10-14歳が24人などと続いた。

 なお、同センターは前週の速報値を15人と公表していたが、14人に修正している。