県内で感染症が大流行

 夏本番を間近に控え、県内で一部感染症が大流行している。県の最新の定点調査によると、今年は乳幼児の口の粘膜や手足に水疱(すいほう)性の発疹ができる手足口病と、高熱などを伴うヘルパンギーナが過去10年で最多に。全国では焼き肉チェーン店をめぐる集団食中毒事件も発生しており、県は衛生管理の徹底を呼び掛けている。

 県健康推進課によると、手足口病は患者の発生が例年より約2カ月早く、5月下旬から急増。小児医療機関54カ所を対象にした県の定点調査では、週ごとの平均患者数が6月20〜26日で8・67人と、過去10年で最も多かった2002年7月下旬の6・17人を大きく上回った。

 保健所管内別でも県内7保健所(平均患者数5・71〜12・00人)全てで流行の度合いを示す3段階中、最高の「レベル3」(同5人以上)となっている。

 症状は微熱や食欲不振も伴い、接触や便、飛沫(ひまつ)で感染。ほとんどは数日で治るが、髄膜炎など合併症を引き起こす恐れがある。「症状が治まっても、しばらくは便にウイルスが残る」と同課。

 急性ウイルス感染症の一種・ヘルパンギーナ(水ほう性咽頭(いんとう)炎)も最新の定点調査で、週ごとの平均患者数が2・57人と過去10年で最多に。飛沫や経口、接触で感染、38度以上の高熱を発し、のどの痛み、食欲不振の症状もあり、口内の奥から咽頭にかけて発疹ができる。