漢方薬の副作用について

漢方薬の副作用について

漢方薬の副作用でわりと多いのは胃腸症状です。吐き気、食欲不振、もたれ、腹痛、下痢などです。地黄(ジオウ)、当帰(トウキ)、川きゅう(センキュウ)、山梔子(サンシシ)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)などが配合される漢方薬でよくみられます。

一時的な吐き気や食欲不振は、ニガミや臭いによる反射性のものが多く、しだいに慣れてくることもあります。食前の服用から食後に変更することもできますから、医師と相談してみてください。腹痛と下痢は、大黄もしくは芒硝によるものが多いのですが、その他の方剤でも腸内細菌のバランスの変化により下痢を起こすことがあるようです。

胃腸症状のほかはめったにありませんが、複数の方剤の併用時など、甘草(カンゾウ)による浮腫(むくみ)や血圧上昇にも注意が必要です。きわめてまれですが、柴胡剤(サイコザイ)による重い間質性肺炎や肝障害も報告されています。


麻黄を含む方剤 → 動悸(ドキドキ)、
不眠 大黄を含む方剤 → 腹痛、下痢、耐性(効きが悪くなる)、かえって便秘

芒硝を含む方剤 → 腹痛、下痢、浮腫(むくみ)

地黄を含む方剤 → 吐き気、もたれ、食欲不振

甘草を含む方剤 → 浮腫(むくみ)、血圧上昇

附子を含む方剤 → 吐き気、ほてり、しびれ、発汗、動悸

柴胡剤など → アレルギー症状(発疹、間質性肺炎、肝障害、膀胱炎など)



●瞑眩(めんげん)という漢方独特の考え方があります。病気を追い出すときに起こる一過性の症状をいいます。たとえば、飲み始めの吐き気、嘔吐、下痢などを瞑眩とみなすことがあります。おそらく、反射性の嘔吐、腸内細菌のバランスの変化による下痢などがこれに含まれるのでしょう。漢方の世界では、瞑眩と副作用を分けて考えますが、患者さんにしてみれば副作用のうちです。


●小柴胡湯(ショウサイコトウ)は、病院で一番使われてきた漢方薬です。慢性肝炎によい効果を示す一方、死亡例を含む重い副作用の報告があります。「証を無視した画一的な処方が、このような副作用を招いた」というのが漢方専門家の意見です。小柴胡湯の本来の証は、表裏→半表半裏、熱寒→熱、実虚→中間証、病期→少陽病、胸脇苦満を目安とします。肝炎に当てはめるなら、急性期から慢性期に移行する段階で体力もまだまだ残っている状態です。肝硬変まで進んだ体力の落ちている人に使うべきではないのです。